IaaSにおけるAWSシェア縮小は何を意味する? 勢力図変動に見る新たな技術トレンド:CIO Dive
IaaSパブリッククラウドサービス市場は、依然としてAWSが圧倒的なシェアを誇っているが、市場全体も成熟しつつあり他のベンダーも着々と収益を伸ばしている。MicrosoftやGoogleの市場戦略を探る。
AWS(Amazon Web Services)は、IaaS(Infrastructure as a Service)型パブリッククラウドにおいてグローバル最大のベンダーであり、その規模を拡大しながら成長を続けている。
Gartnerが2021年6月28日に公開したデータ(注1)によれば、AWSは2020年、全世界のIaaSパブリッククラウドサービス市場で262億ドルの収益を上げ、同市場シェアの40.8%を占めた。市場全体では40.7%の成長が見られ、売上高は643億ドルに達した。
AWSは、同市場のシェアで第2位のMicrosoftとは2倍以上の差がある。同調査によれば、Microsoftは127億ドルの収益を上げて、2020年における同市場の19.7%を占めていることが判明した。第3位は中国のAlibabaで9.5%を占めている。
IaaSベンダー各社の全体での売り上げ増加は、相対的にAWSの市場シェアを下げることにつながっている。Huaweiは、2019年の売上高8億8200万ドルから202.8%増加して、2020年には27億ドルに達した。2021年には2年連続で200%以上の成長を遂げ、IaaSパブリッククラウドベンダーの上位5社にランクインしている。
2019〜2020年のIaaSパブリッククラウド市場(出典:Gartner「Worldwide IaaS Public Cloud Services Market Share, 2019-2020(Millions of U.S. Dollars)」をNaomi Eideが再編成)
成熟するパブリッククラウドサービス市場 今後のベンダーの方向性は?
AWSのIaaSパブリッククラウドサービス市場シェアが時間の経過を伴い低下するということは、同市場の成熟度が進んでいることを意味する。AWSの市場シェアが低下傾向にあっても、同社が他社を引き離す支配的なプロバイダーであることに変わりはない。だが(IaaSだけでなく)他のクラウドサービスプロバイダーがそのリードを削ぎ落とす傾向もあり、顧客のサービス採用が増えれば、AWSよりも高い成長率になることが見込まれる。
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