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スマートメーターで企業の生産活動をリアルタイムに把握 東京商工リサーチとグリッドデータバンク・ラボが実証実験
グリッドデータバンク・ラボと東京商工リサーチは、電力のスマートメーターを用いて、企業の生産活動をリアルタイムに把握する実証実験を実施した。
グリッドデータバンク・ラボと東京商工リサーチ(TSR)は2022年4月6日、電力使用量を連続的に取得するスマートメーターの統計データを用いた実証実験を実施した。
全企業の電力使用量をリアルタイムに把握
同実証実験は、企業の生産活動の予測を目的とする。これまで企業の生産活動の実態を把握するには、政府が公表する鉱工業生産指数を利用していた。同指数は企業に対するアンケート調査を基にしているため、公表までに1カ月程度要していたが、よりリアルタイムな指標が求められていた。業界間の財やサービスの取引を把握するために利用される産業連関表は必要な資料が膨大で、作業内容が広範多岐にわたるため、完成までに5年かかる。
スマートメーターは、国の「エネルギー基本計画」に基づいて大手電力会社が全国の全世帯や全事業所への導入を進めており、2024年度末までに約8000台を導入する予定だ。スマートメーターによって国内全ての企業の30分単位の電力使用量をリアルタイムに取得する。このデータを利用し、鉱工業生産指数の予測指標と業界間のつながりを定量的に表した指標を作成し、国内企業の生産活動実態を迅速に把握する。
同実証実験では、次の2点を検証した。
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