日本の低成長はクラウド導入の遅れが影響か デロイト トーマツが提言
デロイト トーマツは、ホワイトペーパー「クラウドによる経済成長の実現」を公開した。同社は、日本全体でクラウド導入を推進する必要があることを政府は認識すべきだと提言する。
デロイト トーマツは2022年4月8日、ホワイトペーパー「クラウドによる経済成長の実現」を公開した。同ホワイトペーパーは、日本におけるクラウド技術の重要性と、クラウド技術が日本社会にもたらす経済効果を検証し、クラウドがもたらす直接的、間接的なメリットや経済成長への貢献についてまとめている。
クラウド導入率と1人当たりGDPの伸び率の関係とは?
国内のクラウドサービス市場は、直近の10年間にわたって継続的に成長しているものの、総務省の「令和2年通信利用動向調査」によると、クラウドを利用する企業の割合は68.7%にすぎない。この値は、他の主要国のクラウド導入率を下回る。特に、2012年に70.6%に達した米国との差は大きい。
デロイト トーマツは、「日本がクラウド導入を促進すれば、IT基盤の柔軟性と労働生産性が高まり、労働力不足やITリテラシーに関連する課題にうまく対処でき、経済成長とイノベーションを実現させる手掛かりにもなり得る」と分析する。
総務省「令和元年版情報通信白書」においても、クラウドを含むICT産業は2000年以降の日本のGDP成長に他産業と比較して大きく貢献していると報告されている。
日本で利用されるクラウド技術やグローバルCSPは、国内IT産業の一翼を担っている。日本のクラウドプラットフォームサービス(CSP)セグメントの市場規模は2019年に7800億円、2020年に1兆円に達しており、2023年には1兆6700億円に達するとの推計がある。
データセンターサービスセグメントの規模は2019年に1兆3100億円、2020年に1兆4400億円に達しており、2026年には2兆400億円に達する見込みだ。
また、デロイト トーマツは、クラウドによって日本社会が直面する課題に対処できると指摘する。
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