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新技術導入が進むほどCIOとCTOの境界線が曖昧に それでも変わらない「重要な役割」は?:Transport Dive
運送業界は、新しい技術の導入によって旧態依然とした時代から脱却しつつある。新技術の導入が進むにつれてCIOとCTOの境界線は曖昧になっているが、最も重要な「ある役割」は変わらない。
新技術導入によってトラック運送業界は大きく変化しつつある。リアルタイムトラッキングの導入によって、CIO(最高情報責任者)とCTO(最高技術責任者)は共にスピード感を持ってデータに関して意思決定する必要がある。
物流に関するデータドリブン型コンサルティング会社のAFS LogisticsでCIOを務めるネイサン・ジョンソン氏によれば、CIOとは本来、「社内業務に力を入れ、戦略を駆使して企業をサポートする存在」だった。当時は顧客ベースの技術はあまりなく、CTOは社外交渉に力を注ぎ、顧客向けソリューションを開発していた。企業にCIOとCTOが存在する場合、CTOはCIOに業務報告をしていたが、CIOしかいない企業も多かった。
物流に関する市場調査やコンサルティングを手掛けるArmstrong & Associatesのエヴァン・アームストロング社長は「現在、CIOとCTOは同じ人間が兼務している」と言う。「CIOの“アップデートバージョン”であるCTOが会社のソフトウェアとネットワークインフラを担当している」(アームストロング氏)。
CIOとCTOの役割は変化し続ける それでも変わらない「重要な役割」は?
物流に特化したソフトウェア会社Carrier LogisticsでCTOを務めるケビン・リナルディック氏は「優れたCTOには(システムを)指示通りに動作させ、実施するための技術のノウハウが必要とされる」と述べる。CTOは戦略立案や顧客との連携、新規の技術についての学習といった役割を担う。
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