先進企業に続け 新しい働き方を目指す企業が知るべき3つのポイント:ハイブリッド時代、従業員間のコラボレーションを維持・向上するテクノロジー(1)
テレワークから一歩進んだハイブリッドワークを実現する上では、従業員間のコラボレーション促進が鍵を握ります。ではコミュニケーションを支援するテクノロジーのポイントとは何でしょうか。前後編で紹介します。
コロナ禍を経て、オフィスワークとテレワークを組み合わせたハイブリッドワークに代表される柔軟な働き方が広がりつつあります。
多くの企業やビジネスパーソンがこうした新たな働き方に順応する過程にあるにもかかわらず、コロナ禍以前と変わらず出勤を前提とした労働環境のままの企業も残っています。こうした企業文化のままではビジネスパーソンにとっての「理想の働き方」を実現させ、さらに生産性を向上させることは難しい場合もあります。それでは具体的にどのように働き方を変えていけばいいのでしょうか。
本稿では、ハイブリッドワークをはじめとした理想の働き方を浸透させるために企業が取るべき働き方の方針について、特にテクノロジーに焦点を当てて考察します。
働き方の最新トレンドは“Productivity Anywhere”に
働き方の変化に対応するためにテクノロジーが重視される傾向は、最近の調査にも色濃く現れています。Slackが2022年に実施したアンケート調査「Future Forum Pulse」によると(注)、最も理想的な働き方について「ハイブリッド」と回答した日本人の割合は69%に上ります。
Polyが実施した働き方に関する調査では(注2)、ハイブリッドワークの状況について「継続するつもりはない」と回答した日本企業はわずか9%でした。
Adobeが発表したハイブリッドワークやテクノロジー、今後の生産性の在り方に関する調査では(注3)、回答者の4人に3人が「デジタルツールの利用がハイブリッドワークへの移行に良い影響をもたらした」と回答しており、「その多くが最新のデジタルツールがなければハイブリッドワークの実現は不可能だった」と考えていることが分かりました。
GAFAなど一部のいわゆる「シリコンバレー企業」ではオフィスワークへの回帰が報じられていますが、よりリモートに寄った働き方を推進する企業もあります。国内ではヤフーがオフィスの約4割を解約し、2022年4月からはオフィスに出社する際、飛行機や高速バスを使っても良いとする新制度を発表し(注4)、世間に大きな衝撃が走りました。
ヤフーはインターネットがつながる環境であれば場所を問わず働ける「どこでもオフィス」という人事制度を導入するなど、率先して従業員の新しい働き方を支援しています。
その他、メルカリは2021年9月に「メルカリ・ニューノーマル・ワークスタイル “YOUR CHOICE”」という制度を始めました(注5)。この制度は、従業員がオフィス出社とフルリモートワークを自由に選択でき、国内であれば住む場所も働く場所も問わないというものです。
これらの調査や事例から見て取れる通り、近年は働き方を「オフィスで働く」から「Productivity Anywhere(どこで働いても生産性を上げる)」という概念にシフトさせることで、労働力とワークスペースの関係が変わってきているといえます。今後はどこで働く人にとっても公平な仕事体験の場を提供できるよう、ワークスペースとテクノロジーへの投資が必要になってくるでしょう。
ワークプレースを変革する上で重要な3つのポイントとは?
ではワークスペースとテクノロジー投資を考える上で何が重要になってくるのでしょうか。ここでは3つのポイントを紹介します。
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