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サードパーティーの気象データは事業をどう変えるか 国内事例5選(2/2 ページ)

ウェザーニューズは気象情報を軸に、地震や台風から桜の開花や花粉など季節に関する情報に至るまで、独自のデータを基にしたきめ細かな情報提供を強みとする。近年は企業ITの変革に、このデータを生かす取り組みも増えている。サードパーティーの気象データを獲得することで事業運営はどう変わるだろうか。

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気象データで事業運営はこう変わる 国内事例5選

 さてここからは気象データをビジネスに生かし、DX実践につなげる方法について解説していこう。天気がビジネスに影響を与えるシーンは数多くある。「晴れたので農作物がたくさん収穫できた」「日射量が多くてたくさん発電できた」「暑いので売れた」など。もしあれば、天気予報のプロセスとあわせることで、ビジネスに見通しを持つなど何らかの恩恵をもたらせる。

 ウェザーニューズは「WxTech」(ウェザーテック)というサービスを提供している。これは気象との相関性を持つ事象において、それらの事象の未来を予測することで、これまで困難とされていたビジネスの課題や社会問題を解決するサービスだ。つまりビジネスの未来を予測し、予測に応じた業務を実践できるようになるのだ。

 気象データ活用のプロセスは3ステップある。まずステップ1は、ビジネスデータと気象の相関を分析して傾向やしきい値を見いだす。前に出てきた観測データに自社ビジネスのデータ(例えば小売りなら売り上げ)などを組み合わせることで、相関関係があるものを探していく。

 ステップ2は、天気予報に基づきビジネスデータの変化を予測する。前のステップで見いだせた気象とビジネスの相関関係を、未来に適用するということ。例えば「明日は晴れる」や「3日後に気温が上昇する」という天気予報があると、「より多く発電できる」や「○○が売れる」などビジネスにどのような変化が起きるかを予測できるようにする。

 そしてステップ3は、ステップ1と2の流れを評価してさらに精度を高めていく。未来は現在となり、過去となっていく。過去の実績を検証し、予測モデル改善につなげていく。このサイクルを回し続ける。

資料42ページ
気象データ活用プロセス(STEP3)(出典:井原氏の講演資料)

 実際に気象データとビジネスデータとの相関性を見いだして、DXやビジネス改善につなげた実例を見ていこう。

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