AWSのCEOが発表した13の新たなサービス これさえ読めば全て分かる:AWS re:Invent 2022(2/2 ページ)
AWS re:Inventの2日目には同社のCEO(最高経営責任者)であるアダム・セリプスキー氏が登場し、13の新たなサービスを発表した。本稿は全てを解説する。
7「Amazon EC2 Inf2インスタンス」
「Amazon EC2 Inf2インスタンス」は新たな「AWS Inferentia2チップ」を搭載した推論処理当たりのコストが最も安価なInf2インスタンスだ。学習よりも複雑でコストが高くなりやすい推論処理において、コスト効率と電力効率の向上、低レイテンシを実現する。
8「Amazon EC2 HPC6idインスタンス」
「Amazon EC2 HPC6idインスタンス」は、密結合なHPCワークロード専用に設計されたインスタンスだ。第3世代の「Intel Xeon Scalable Processor」(Ice Lake)を搭載し最大3.5GHzで動作する。1024GiBのメモリと15.2TBのSSDを搭載しており、「Amazon EC2 R6iインスタンス」と比べて4倍となる200GbpsのEFAネットワーク帯域を備える。
9「AWS SimSpace Weaver」
「AWS SimSpace Weaver」は、大規模な空間的シミュレーションの構築や運用を支援するフルマネージドサービスだ。セリプスキー氏は「AWS SimSpace Weaverが複数のEC2インスタンスでの分散処理や各ノードの同期を管理し、大規模な処理に対応する。ユーザーは設計や事象観測に注力できる」とした。
10「『Amazon Connect』に3つのアップデート」
「Amazon Connect」は、クラウド型コンタクトセンターサービスでコンタクトセンターシステムや自動受付システムを構築して運用するサービスだ。今回はそれに3つのアップデートが発表された。
1つ目が「『ML(機械学習)ドリブン』『容量計画』『スケジューリング』」だ。コンタクトセンターの人員を最適化するために、必要な人数が必要なタイミングでスケジュールされているかを予測、計画、検証する。
2つ目が「コンタクトレンズとパフォーマンスマネジメント」だ。これはエージェントのパフォーマンスをモニタリングする機能で、「必要なトークスクリプトを守っているか」「機密データ収集ルールを守っているか」などの軸で評価する。機械学習で会話分析機能によるスコアリングも可能だ。
3つ目が「ステップごとにガイドがあるエージェントのためのワークスペース」だ。Amazon Connectのエージェントワークスペースにおいて電話やチャット、タスクを受け取ると顧客情報を表示やナレッジベースの検索、推奨される対応のレコメンデーションなどをリアルタイムで実行する。
11「AWS Supply Chain」
「AWS Supply Chain」は、サプライチェーンのリスクを低減して顧客体験を向上するためのクラウドベースのアプリケーションだ。セリプスキー氏は同サービスについて、「サプライチェーンの可視性を高めて、より早くデータに基づいた判断を可能にする。ユーザーのリスク軽減やコスト削減、体験の向上を支援する」と述べた。
12「AWS Clean Rooms」
「AWS Clean Rooms」は、データ全体を直接共有したり開示することなく、安全な分析を可能にするアナリティクスサービスだ。データクリーンルームを作成することで、AWSのクラウド内で、社外の人でも同じデータを元にした分析やコラボレーションが可能になる。
「双方のデータを組み合わせることで、ユーザーはパートナーと新たな知見を生み出すことが可能になる」(セリプスキー氏)
13「Amazon Omics」
「Amazon Omics」は、ゲノミクスと生物学のデータを大規模に保存・クエリ・分析するために設計された専用のサービスだ。ペタバイト規模のデータを容易にインポートし、分析に適した形式に正規化する。また、ワークフローとインテグレーションツールを提供し、基盤のインフラを自動的にプロビジョニングすることで、研究者や医師が研究活動や治療に注力できるようになる。
セリプスキー氏は最後に、「未知な挑戦は時に危険かもしれないが、適切なツールを選択して進めば実現できる」と話し、講演を終えた。
Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.
関連記事
AWS re:Invent 2022が開催 複数の新サービスを発表
3年ぶりに「AWS re:Invent」がオフラインで開催されている。AWSが初日に発表した新たなサービスとは。
AWSとGoogleの日本への投資合戦/Oracleが「融和政策」?/AIの独占利用権を活用するMicrosoft――秋のIT系イベントに見るトレンド
春と秋はITベンダー各社が大規模イベントを開催することから話題性ある発表が続きます。筆者の目についた発表をざっとまとめてみました。
AWS、クラウドキャリアを目指す人向けの無料リスキリングプログラムを提供開始
AWSは、クラウドキャリアを目指す人向けのリスキリングプログラムなど、3つの無料トレーニングプログラムを開始する。ウクライナ人向け再就職支援も含まれている。




