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データ利活用で効果の高い「2つの分野」が判明 IDCが調査

IDCの調査によると、DXを推進している国内企業におけるデータ利活用に関する調査結果を発表した。同調査ではデータ利活用で効果的な分野が判明した。また、データ利活用で進んでいる企業や製造業が積極的に取り組む分野も明らかになった。

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 IDC Japan(以下、IDC)は2022年12月16日、DX(デジタルトランスフォーメーション)を推進している国内企業のデータ利活用に関する調査結果を発表した。

 同調査レポートは、国内企業303社(従業員規模100人以上)を対象に2022年4月に実施した「データ利活用統括者調査」を基に、データ利活用の現状と課題や「データ流通」サービスの利用状況について分析した。

データ利活用で効果が高いデータの種類は?

 同調査では、DXを目的としたデータ利活用を進める中で、「データ利活用の効果が高い」ものの種類が明らかになった。

 「自社で取得したデータ」と「外部組織から取得、購入したデータ」に分けて尋ねたところ、いずれも「財務」や「人材」に関するデータが上位に挙がった。

 外部から入手したデータでは、「人やモノの位置情報、GPSデータ」が有用性の高いデータの一つだと分かった。


データ利活用で効果が高いもの(n=303)(出典:IDCのプレスリリース)

 データ活用における課題については、「人材、スキル」「組織構造」「経営方針、企業文化」「技術、データガバナンス」「業務プロセス」の5つの観点で課題を分析したところ、いずれの観点においても回答者にある程度共通する課題が見つかった。

 「人材、スキル」では、「データの運用基盤に関するスキル不足」をおよそ4分の1の回答者が挙げた。「経営方針、企業文化」では「リーダーシップの欠如」が同様に約24%、「組織構造」では「データ利活用現場での理解不足」を約30%の回答者が課題だと考えている。

データ活用推進企業ほど、データ流通を積極的に利用

 データを販売、提供あるいは購入、取得するデータ流通の利用状況についても調査した(無償の場合を含む)。

 データ流通に関する取り組みをすでに実施した企業の回答者は、「購入、取得」「販売、提供」別のいずれも10〜15%にとどまった。この値は、計画進行中の企業を含めると、約25%にまで広がり、導入検討中の企業を加えると40〜50%に達した。

 産業分野別では「製造業」がデータ流通を積極的に活用している他、データ利活用が進んでいる企業はデータ流通をすでに活用している割合が高いことも明らかになった。

 また、「今後データ流通を通じて得たいデータの種類」については、「人材関連」や「Web、SNS」「人やモノの位置情報、GPSデータ」に関する期待が大きく、現在データ利活用で効果が高いと考えているデータと一致していた。

 その他、「工場、プラントデータ」に対する期待も高い。IDCは「この結果からも、データ流通の活用に積極的な製造業の姿勢が見て取れる」と指摘する。

 IDCの草野賢一氏(コミュニケーションズ/ITサービスのグループディレクター)は「データ流通の利用を拡大するためには、企業のデータ活用をより高度なレベルに引き上げることが重要となる。高度なデータ利活用をしている企業ほど多様なデータソースを用いていることが明らかになったからだ。また、データ流通関連サービスの認知度は総じて低く、データ流通に関わるベンダーや事業者においては、データ流通サービスが提供する価値を認知してもらう活動が不可欠だ」とコメントしている。

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