Amazonの新たな容量管理システムで販売事業者はより多くの在庫スペースの確保が可能に:Supply Chain Dive
Amazonの新たな容量管理システムでは、販売事業者が入札形式で在庫容量を確保できる。大規模な在庫スペースが必要な事業者にとって有益な仕組みになるか。
Amazonは2022年3月1日(現地時間)、フルフィルメントサービスを利用する販売事業者向けに保管スペースの追加入札が可能な新たな容量管理システムを導入すると発表した(注1)。
Amazon Worldwide Selling Partner Servicesでバイスプレジデントを務めるダーメシュ・メータ氏のブログ投稿によれば、販売事業者は自身で設定した金額に基づいて「Fulfillment by Amazon」(FBA)の在庫容量を追加できる。このシステムは販売事業者が非効率なFBAの使い方を制限しながら、キャパシティーをコントロールできるようにすることを目的にする。
販売事業者の生産性向上につながるか
メータ氏によれば、在庫スぺースは販売事業者が提示した1立方フィート当たりの予約手数料が最も高いものから付与され、手数料は追加容量に関連した販売の「パフォーマンスクレジット」で相殺される。このクレジットは最大で料金の100%を相殺するように設計されており、製品を売り続ければ追加された容量は売り手のコストにならない。
Amazonは何十億もの追加コスト削減に取り組む中で、生産性の最大化をより一層重要視している。コストの多くは倉庫業務に関連するもので(注2)、AmazonのCFO(最高財務責任者)であるブライアン・オルサフスキー氏は2022年10月、アナリストに対し「主に『Amazon Prime』などのセールスイベントに向けて高い在庫水準で事業を展開しているため、生産性向上が困難になっている。スペースに制約が余計な仕事の増加につながることもあり、新たな容量管理システムを取り入れた」と述べた(注3)。
リスク管理サービスを提供するAcadiaで小売市場戦略責任者を務めるキリ・マスターズ氏は自身の「LinkedIn」の投稿で、「Amazonの新しい予約機能はオークション方式なので、追加容量のコストは時期によって変わる可能性が高い」と述べている(注4)。
「この機能は新製品の発売やマーケティングキャンペーンに向けて、より多くの在庫スペースが必要なブランドにとって有益だ」(マスターズ氏)
同氏は「多くのブランドはキャンペーンイベントに向けて、スペースを確保するために費用を払っても良いと考えている」と指摘する。
メータ氏によると、新たな容量管理システムでは販売事業者が商品をAmazonに送って保管できる量に対して、月間容量制限も付与される。これは、これまでの週単位の再入荷制限と四半期単位の保管制限の代替として導入される。
「従来の再入荷制限と同様に、この月間の容量制限もAmazonのフルフィルメントセンターの手持ち在庫と販売事業者が把握している出荷予定の商品を考慮する」(メータ氏)
(注1)Amazon announces new streamlined FBA capacity management system(Amazon)
(注2)Amazon’s cost savings plan runs into holiday pressures(Supply Chain Dive)
(注3)Amazon.com, Inc. (AMZN) Q3 2022 Earnings Call Transcript(Seeking Alpha)
(注4)Kiri Masters(LinkedIn)
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