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製造業専用のデータ活用基盤を発表 Databricks

Databricksが製造業の課題解決に特化したデータ活用基盤を発表した。レイクハウスプラットフォームのスピードを生かしつつ、パートナーとエコシステムを形成して目的別のソリューションも展開する。

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 Databricksは2023年4月4日(現地時間)、「データブリックス製造業向けレイクハウス」の提供を開始すると発表した。同社は、データとAI(人工知能)を統合し、あらゆる分析ユースケースのパフォーマンスを向上させるとしている。

 「レイクハウス」は、構造データ非構造データを問わずあらゆるデータを蓄積する「データレイク」と、ビジネス分析に生かすためにデータを変換、抽出して格納する「データウェアハウス」の機能を融合させたDatabricks独自の技術であり、「レイクハウスプラットフォーム」はその技術基盤を指す。

パートナーエコシステムによるオーダーメード型で製造業特化の課題解決

 データブリックス製造業向けレイクハウスは、製造業界向けに特化したレイクハウスで、デジタルツインや予知保全、サプライチェーン最適化、需要予測、リアルタイムなIoT(モノのインターネット)分析などに向けてAI機能を統合しており、構築済みソリューションを提供する。

 デジタルツインは、センサーから得られたデータを基に作成する。実世界のデータをリアルタイム処理し、プロセス最適化モデリングやリスク評価、状態監視、最適化設計など、複数の下流アプリケーションにインサイトを提供する。

 プラントや製造装置などのフィールドデバイスから産業用IoTのデータをリアルタイムに取り込んで時系列データを分析して予知保全に活用すれば、装置の稼働時間を最大化してメンテナンスコストを削減できる。

 また、部品レベルでの需要予測に利用すれば、在庫切れを防いで、リードタイムを短縮するサプライチェーン最適化にも生かせる。

 Databricksは、こうしたソリューションを利用することでデータの種類やソース、頻度、ワークロードに関わらず全てのデータを単一の基盤に統一でき、それらのデータを生かしたAI活用の効果も最大化できるとしている。

 さらに製造業向けレイクハウスは、堅牢なデータガバナンスと共有の機能を備えており、エコシステム全体にわたって俊敏性を持った製造と物流のためのリアルタイムなインサイトを提供できるという。

 同社パートナー企業であるアバナードやセレバルテクノロジー、DataSentics、デロイト、Tredenceも製造業向け専用ソリューションのエコシステムを提供する。これらのデータソリューションは、レイクハウスプラットフォームの機能と業界で実証済みの専門知識を組み合わせたオーダーメード型のソリューションとして提供される。

 オーダーメード型ソリューションの一例として、例えば「品質管理」では、分類、検出から製品の追跡までの製造プロセス全体を自動化し、欠陥や異物、異常を検出する。「予測型サプライリスク管理」においては、サプライチェーンの全体像を把握して、注文フローやサプライヤーのパフォーマンスをエンドツーエンドで可視化する。

 なおDatabricksは、最新の製造環境の運用に必要なツールやシステム、アーキテクチャは膨大で、安全なデータ共有とコラボレーションが課題になっているとしている。実際、データプロジェクトの70%以上が概念実証(PoC)の段階で停滞していると指摘する。データブリックス製造業向けレイクハウスは、このようなサイロ化を解消し、製造業者が全てのデータにアクセスしてリアルタイムに意思決定できるようにするとしている。

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