Nutanixの「シンプルなデータベースサービス」が企業の課題をどう解決するのか:.NEXT 2023 レポート
データ活用がビジネスの進化に欠かせないようになり、データベースサービスへの期待も大きくなっている。一方で複雑なシステム環境がデータ活用を困難にしているとの声もある。Nutanixはこのような状況を打破するサービスを持っているという。
NutanixというとHCI(ハイパーコンバージドインフラ)ベンダーとしての印象が強いが、近年はサービスの提供にも力を入れている。その一つがデータベースサービスだ。「企業の課題を解決するために作られた」というが、どのような特徴を持っているのか。Nutanixでデータベース責任者を務めるトビアス・ターンストローム氏に話を聞いた。
本稿はNutanixの年次イベント「.NEXT 2023」(開催期間:2023年5月9〜10日)で「ITmedia エンタープライズ」が取材したもの。
Nutanixの「シンプルなデータベースサービス」が企業の課題をどう解決するのか
トビアス氏は取材の冒頭、「企業におけるデータベースサービスの課題は『さまざまな場所にデータが分散しており、それらをビジネスに生かせていないこと』でしょう」と指摘した。
このような状況を打破するためにNutanixが提供しているデータベースサービスが「Nutanix Database Service」(以下、NDB)だ。NDBはオンプレミスのNutanixはもちろん、「Amazon Web Services」(AWS)や「Microsoft Azure」(Azure)が提供するNutanixプラットフォームも対象としたマネージドサービスだ。「Microsoft SQL Server」「Oracle Database」「PostgreSQL」「MySQL」「MongoDB」に対応する。
NDBの強みとして、トビアス氏は「データ活用を容易にする」点を挙げた。NDBはさまざまなデータベースを一つのプラットフォームに集約し、各種データベースのプロビジョニングやデプロイ、パッチ適用やスナップショット取得といった運用管理も一元化、効率化できる。
「NDBであれば、さまざまなデータベースに分散したデータの取得などの手間がかかる作業から開放されます。データを迅速にビジネスに使えるようになります」(トビアス氏)
ハイブリッド・マルチクラウド環境の広がりを受け、NDBの注目度が上がる
ハイブリッド・マルチクラウドへの企業の関心は高まっている。適材適所で最適なツールを採用することは理にかなっている一方で、管理の複雑さも指摘される。このような企業の課題に対してトビアス氏は「シンプルさが効率化につながります」と指摘する。
「マネージドサービスとしてのデータベースが増えたことで企業はさまざまなサービスを容易に利用できます。また、アプリケーションのマイクロサービス化などもありデータベースインスタンスは増加しています。これらの結果、企業は自ら複数のデータベースを運用しなければならず、結果として開発者やデータベース管理者の重荷になっています。これらを解決するのがNDBです」(トビアス氏)
トビアス氏によれば、データ活用でビジネスを進化させるにはデータサービスに加えて「組織カルチャーの変化」「人材確保」も欠かせない。データベースによってデータを効率的に使える体制が整っても、使う側の体制が整備されていなければ意味がない。
「真のデータドリブン企業になるには、データ活用に加えて使う側の変化も必要です。Nutanixは課題を抱える企業を全力で支援しています。日本はNutanixにとっても非常に重要なマーケットです。今後も企業の進化をサポートしていきます」(トビアス氏)
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