Boxが「Microsoft 365 Copilot」と連携 AI利用で可能になる“3つの機能”
Boxは、Microsoft 365 Copilotと連携する新たなプラグイン「Box for Microsoft 365 Copilot」を発表した。Microsoft Office製品だけでなくMicrosoft Teamsからもファイルの共有や編集、コラボレーションを可能にする機能を提供する。
Box Japan(以下、Box)は2023年7月28日、OpenAIのLLM(大規模言語モデル)を利用してタスクの自動化やリアルタイム監視などを実施するAI(人工知能)「Microsoft 365 Copilot」と連携する新たなプラグイン「Box for Microsoft 365 Copilot」を発表した。
AIを利用して「Box」でできること 3つの機能を紹介
Boxは、Microsoft 365 Copilotを利用することで、コンテンツクラウド「Box」に保管されたファイルをこれまでよりも便利で価値あるものにできるとしている。同時に、Microsoftが提供するオフィススイート「Microsoft Office」だけでなく、コラボレーションプラットフォーム「Microsoft Teams」(以下、Teams)からもファイルの共有や編集、コラボレーションを可能にする機能を提供することも発表した。
BoxがAIを利用することで何ができるようになるのか。主な3つの機能は次の通りだ。
(1)Microsoft 365 Copilotとの連携を通じてBoxを簡単に活用できる
Box for Microsoft 365 Copilotは、Microsoft 365 Copilotとの連携を通じてBoxを簡単に活用できるようにする。Teamsで共有するBox内のドキュメントを速やかに要約してコラボレーターから洞察を引き出したり、既存のプロジェクトの主要なマイルストーンを把握するために共有されているコンテンツに質問したり、チャットやチャネルをスクロールする手間を省いて会話や新たな知見を素早くキャッチしたりできる。
(2)TeamsのチャットやチャネルでBox Notesを共有
Box for Microsoft 365の機能強化としては、Teamsのチャットやチャネルでドキュメント作成ツール「Box Notes」で作成した文書を共有したり編集したりすることで、組織に発生しがちな情報の分断を減らせるとしている。BoxとTeamsの間で即座にアクセス権を付与し、ファイルへのユーザーアクセスを自動的に同期することで、ファイルコンテンツ全体でBoxのセキュリティ仕様を維持することも可能だ。
(3)Box for Microsoft Officeデスクトップアプリの共同編集
Box for Microsoft Officeデスクトップアプリの共同編集機能を「Microsoft 365用の半期エンタープライズチャネル バージョン 2302」(2023年7月)の一部として利用できるようにした。これによって「Microsoft Word」や「Microsoft PowerPoint」「Microsoft Excel」で編集したファイルをBoxに自動保存し、リアルタイムの共同作業を可能にした。「Box Drive」やBox Webアプリ、Officeアプリのデスクトップ版の「Add a Place」機能からファイルのプレビューやアクセス、編集、共有を可能にした。
Boxのディエゴ・デュガキン氏(最高プロダクト責任者)は「当社は、AIの飛躍的な進歩がもたらすソフトウェアの新時代の幕開けを迎えている。企業のコンテンツほど潜在的なインパクトが大きいものはないだろう。AIの基礎モデルをBoxに格納されたコンテンツとつなげることで、コンテンツの価値を引き出し、企業内の各個人がより生産性を高めるBoxの新機能『Box AI』を先日発表した。Microsoft 365 Copilotとの連携は当社のAI戦略の拡張を示すものであり、これまでのコラボレーションによって両社の顧客がシームレスにBoxとMicrosoft 365 Copilotを同時に利用することが可能となる。両社の顧客に新しいレベルの生産性を提案し、働き方を変革するためのサポートを引き続き提供する」と述べた。
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