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全銀システムでの障害 中継コンピューターのシステム更改時に発生か:セキュリティニュースアラート
全銀ネットは2023年10月11日、全銀システムで発生中の不具合について記者会見を開催した。今回の障害は中継コンピューターのシステム更改時に発生したとされている。
全国銀行資金決済ネットワーク(以下、全銀ネット)は2023年10月11日、「全国銀行データ通信システム」(以下、全銀システム)で発生している不具合に関する記者会見を開いた。
全銀システムは2023年10月10日から不具合が発生しており、三菱UFJ銀行やりそな銀行といった一部の銀行で他行宛ての振込取引ができない状況が続いていたが、2023年10月12日の午前9時時点でシステムの復旧が報告されている。
障害はシステム更改のタイミングで発生か
記者会見によると、今回の障害は各金融機関とのシステムをつなぐ「中継コンピューター」を旧型システムの「RC17シリーズ」から新型システムの「RC23シリーズ」に更改したタイミングで発生した。
更改時に、内国為替制度の安定的な運営に向け、仕向銀行から被仕向銀行に対して支払われる費用である「内国為替制度運営費」(旧:銀行間手数料)に関連したプログラムに不具合が生じた可能性があるという。
会見によると不具合発見後、問題のプログラムを新たに作り直し、2回テストを実施したがエラーが発生し、復旧には至らなかったとしている。全銀ネットは障害の詳細な原因については今後も究明を図るとしている。
全銀ネットは2023年10月12日、コアタイムシステムの通信開始時刻(午前8時30分)から、他行宛の振込取引の稼働状況をモニタリングした結果、午前9時時点で問題なく稼働していることを確認したと報告している。
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