非構造化データは毒にも薬にもなる 使いこなすメリットとは?:CIO Dive
IDCのレポートによると、断片化されたデータを保有する企業では、潜在的なデータ侵害コストが約2倍になることが判明した。
2023年8月第5週に発表されたIDCのデータによると、企業におけるリーダーの半数以上が「非構造化データのほとんどがサイロ化していて、従業員やシステム間で実際に共有されている情報は半数以下だ」と答えた(注1)。Boxが主催したこの調査は400人のITリーダーを対象に実施された。
リーダーの5人中2人が、自社が保存するデータの大半は1度しか使用されず、その後はアクセスされないまま放置されているという。
非構造化データは毒にも薬にもなる 使いこなすメリットとは?
分析によると、活用されておらず眠っているデータはより高いコストをもたらすようだ。IDCは「非構造化データが多い企業では、セキュリティ侵害に関連するコストが2倍になる」ことを明らかにした。
データはITの野望の下支えとなる。これには、最近の生成AI(人工知能)の波や、Eコマースにおけるパーソナライズされたレコメンド機能や重要な財務予測などより伝統的なデジタルツールも含まれる。
分析システムの燃料となる適切なデータがなければ、企業はIT資産から十分な利益を得られない。この取り組みには、データを適切に構造化して活用する方法を見つけることも含まれる。
IDCの調査によると、過去12カ月間に非構造化データを活用した企業は、顧客満足度の向上やデータガバナンス、法規制順守などプラスの成果を挙げているという。
SaaSやその他のデジタルソリューションに対する企業の依存は、データソースの急増をもたらした。市場調査機関のColeman Parkesが2022年に発表した調査によると、クラウドへの移行によって、データの可用性は一般企業の分析ツールの域を超えたという(注2)。
さらに同社の調査によると、リーダーの約4人に3人が「データ管理が課題である」と回答し、ほぼ全てのエグゼクティブが環境間での観測可能性とセキュリティの拡張に苦戦しているという。
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