SNSは2025年までにオワコンになる? 「インプレゾンビ大発生」の影響が調査で判明:Retail Dive
適当な発言を繰り返すbotやインプレゾンビをSNSで見ない日はない。ガートナーの調査によると、一般ユーザーのSNSへの信頼度は低下している。宣伝やマーケティングにSNSを利用している企業は、「ユーザーの信頼を失ったSNS」にどう対応すべきだろうか。
現在、多くの企業が情報発信やマーケティングの手段としてソーシャルメディア(SNS)を利用し、運用に多額のコストをかけている。
しかし、Gartnerの調査によると、一般ユーザーのSNSへの信頼度は低下している。SNSプラットフォームの質の低下によって、2025年までに消費者の50%がSNSでの交流を放棄するか、利用を大幅に抑制するようになるという(注1)。
SNSプラットフォームの「質の低下」とは具体的に何を指すのか。
ユーザーの5割が「SNSは衰退する」と回答 その理由は?
Gartnerは2023年夏、一般消費者260人以上を対象とした調査を実施した。同調査によると、回答者の70%が「生成AI(人工知能)のSNSへの統合が進めばユーザー体験が損なわれる」と答えた。
つまり、「SNSプラットフォームの質が低下している」と感じる人が理由として挙げるのは、誤った情報の拡散や有害なユーザー、botのまん延などで、生成AIはそれらの問題をさらに深刻化させると考えられている。
多くのマーケティング担当者は、「SNSは確かな投資対効果をもたらす」と見ている。しかし、消費者のSNSとの関わり方は、大きな変化の真っただ中にあるのかもしれない(注2)。
Gartnerのエミリー・ワイス氏(マーケティング部門上級主任研究員)は「SNSは依然としてデジタルマーケティングの投資チャンネルのトップにある。しかし、消費者は利用を抑制しようとしている。数年前と比較して、生活の様子やコンテンツを共有する回数を減らしたユーザーは相当数存在する」と語った。
同調査の報告書によると、回答者の53%が「SNSは前年や5年前と比べて衰退している」と回答したという。
2023年にGartnerが実施した別の調査では、「AIを利用したコンテンツジェネレーターは虚偽や誤解を招く情報を拡散する可能性がある」と考える回答者は72%に上った。
「AIへの不信感や信頼不足によって、一部の消費者はAIを利用しないSNSや対話を求める方向に向かうだろう。一部のSNSはAIを敬遠し、より人間らしいポジショニングを優先するかもしれない。こうした『アコースティック』なコンセプトは、『AIを活用したビジネスが非人間的で同質的である』という認識から遠ざけるために活用されるだろう」(ワイス氏)
2023年に全米産業審議会がビジネスメディアのRagan Communicationsと共同で実施した調査によると、ほとんどのマーケターやコミュニケーションの専門家がAIを使用したり実験したりしている。同調査の結果によると、マーケターにとってのAIの一般的な用途にはコンテンツの要約の他に、顧客やユーザーのコンテンツのパーソナライズ、顧客サービスの改善などが含まれる。
ワイス氏によると、SNS体験の変化にマーケティング部門の幹部は適応する必要があるという。「CMO(最高マーケティング責任者)は、顧客獲得とロイヤルティー維持の戦略に再度焦点を当てなければならない」(ワイス氏)
(注1)Gartner Predicts 50% of Consumers Will Significantly Limit Their Interactions with Social Media by 2025(Gartner)
(注2)Marketers ramp up social spending as ROI prospects improve, survey says(Marketing Dive)
(初出)Half of consumers will abandon or ‘significantly limit’ social media interactions by 2025: report
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