DXが浸透している企業は、何と「1割」 サイボウズが「これからの5年に向けた提言」を公開
サイボウズとITRが実施した調査によると、日本企業のDXの取り組みは活発化しているものの、進捗や成果には企業によって大きな差が生じている。DXを本格的に推進している企業でIT部門が果たしている役割とは。現状打破のために必要な4つのポイントを紹介する。
サイボウズは2024年2月8日、国内企業におけるDX(デジタルトランスフォーメーション)推進の現状と、DXの浸透・定着に向けた提言をまとめたホワイトペーパー「日本企業のDX:これからの5年に向けた提言」を公開した。
同レポートは、サイボウズがアイ・ティ・アール(以下、ITR)に依頼してユーザー企業を対象に実施した調査結果を分析したものだ。調査は従業員数100人以上の企業のIT戦略決定者やIT企画立案者、IT実務者に該当する課長職以上を対象に2023年8月に実施し、562件の有効回答を得た。
DXが進んでいる企業のIT部門 DXにどう関与している?
DXの重要性が言われるようになってから5年以上が経過した。企業の取り組みは活発化しているものの、進捗(しんちょく)や成果に大きな差が生じている。
同レポートでは、調査結果を基に国内企業におけるこれまでのDXへの取り組みを総括するとともに、デジタルが前提となる時代に適合する持続可能なDXのあるべき姿と、その実現に向けて今後5年に求められる方策を提言している。本稿では、要点を幾つか紹介する。
同レポートは、IT部門のDXへの関与の在り方と、DXの進捗具合との間に相関関係がみられたとしている。
DXの推進にIT部門がどのように関与しているかを尋ねた質問に対して、「IT部門が中心」または「DX推進部門とIT部門が一体となって推進している」と回答した企業は、本格的かつ全社的なDX推進の傾向が見られた。同レポートは「(DXの進捗には)IT部門の関与が不可欠であることがうかがえる」としている。
今回の調査では、多くの企業がDXの重要性を認識して取り組んでいるものの、行き詰まってしまう、または一過性の取り組みに終わるケースが多く、社内に定着、浸透している企業は1割程度という実態が明らかになった。DXの浸透、定着にはIT部門の関与や全体最適の視点が不可欠であるとともに、DXを継続的な取り組みとしていくためにはチェンジマネジメント、パラコンシステントなIT構造、行動規範や価値観に落とし込む仕組み化などが重要であることも見えてきたと、同レポートは分析している。
現状を打破するための4つの提言とは
ITRは、こうした現状を打破するための日本企業への提言として、「チェンジマネジメントによる全員参加型DXの実現」「両利きのIT部門とパラコンシステントなIT構造」「DXの浸透・定着化に向けた『変革の仕組み化』」「人的資本経営とDXの連携」の4つを挙げる。
今回公開されたレポート「日本企業のDX:これからの5年に向けた提言」は、サイボウズWebサイト内のこちらから無料でダウンロードできる。
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