在庫管理の基本のキ 7つの“できていてほしいこと”(1/2 ページ)
効率的な在庫管理は小売業をはじめとする企業の業務改善に役立つ。需給の均衡を確保するのに役立つ、7つのベストプラクティスを紹介する。
競争が激しい市場で成功を目指す企業にとって、在庫管理が重要な要素だと理解することは死活問題だ。
製品を販売する企業にとっては、しっかりとした在庫管理が成功のカギを握る。企業は需要と供給のバランスを取りつつ、在庫を常に十分に確保して顧客のニーズを満たせるようにしなくてはならない。
ここでは、企業が在庫水準を把握して供給力を最大化するのに役立つ、在庫管理の7つのベストプラクティスを紹介する。
1.予測モデルの構築
優れた在庫管理とは、製品に対する消費者の需要を理解し、そのニーズを満たすのに十分な供給を確保できるようにすることを指す。予測ツールを利用すれば、健全な水準の在庫維持に役立つだろう。
これらのツールは、過去の傾向や宣伝、市場での地位といった消費者需要にまつわる複数の要素を分析し、各製品の最適量を予測できる。
2.正確なリードタイムの推定
リードタイムとは、メーカーへの商品の発注から顧客に納品されるまでの時間だ。このプロセスは、顧客が発注管理システムを通じて商品を発注したときに始まる。リードタイムは、製造に必要な時間や倉庫までの輸送時間、国際輸送が必要ならその所要時間といった複数の要因に左右される。
現実的なリードタイムの算定は、業務の複数の側面にとって重要だ。例えば、注文した商品が到着するまでに予想以上の時間がかかれば、顧客の怒りを招く可能性がある。
3.余計な在庫を保持しない
在庫の維持には多くの費用がかかる。原材料の調達や製品の製造および流通といったプロセスにかかる費用は利幅に影響を与えかねない。企業は、動きがない、あるいは売れ行きが悪い在庫に拘束される資本の量を最小化して、キャッシュフローを解放しなければならない。そのためには、供給と需要、在庫水準のあいだの絶妙なバランスを維持する必要がある。
ジャストインタイム生産モデルに従えば、リードタイムを最小限にすると共に、動きのない在庫に資本が拘束される事態を回避するのに役立つだろう。
4.倉庫業務の最適化
倉庫業務の最適化は、商品の安全な保管や注文の迅速な履行に大きく貢献する可能性がある。
商品の損壊や盗難などの事態を避けるために、従業員は管理や警備が行き届いた環境で商品を保管しなければならない。保管後は従業員が定期的な棚卸しを実行する必要も発生する。また、長く保管されず、すぐに出庫されると予想される商品については、従業員の判断で倉庫内のアクセスが容易な場所に置いてもいいだろう。
自動化やロボットのようなテクノロジーも倉庫業務の最適化に役立つ。商品の移動および置き場への保管用のコンベヤーシステムや、受注や注文品の梱包(こんぽう)を行うロボットがあれば、在庫管理を行うのがもっと容易になるはずだ。
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