ニュース
GMOペパボ、問い合わせ対応をAI化 顧客満足度を下げずに業務時間3割減に成功
GMOペパボが問い合わせ対応にAIを活用し、顧客満足度を下げずに業務時間削減を実現した。
GMOペパボは2024年8月23日、問い合わせ対応にAIを活用することで5カ月間で合計1620時間の業務時間削減を実現したと発表した。多くの問い合わせが有人対応に至る前に解決でき、顧客満足度も向上できたという。
同社はホスティングサービスやEC、ハンドメイド事業などを展開している。これまで、それぞれのユーザーからの問い合わせにはオペレーターが月間のべ3857時間をかけて対応しており、顧客満足度を下げずにどう業務を効率化させるかが課題となっていた。
同社は2024年1月、全サービスの問い合わせ対応に大規模言語モデル(LLM)ベースの会話型AIを導入し、事前に登録されたFAQやナレッジベースから最適な回答を提供する仕組みを構築した。結果的に以下のような効果があった。
- 2024年4月の有人対応件数は1.6万件(前年同期比3割削減)
- 電話やメールでの対応時間を1620時間削減(2024年1〜5月)
- 顧客満足度は88%(導入前から2ポイント上昇)
問い合わせの有人対応を削減できたことで従業員の負担が軽減され、新たなポジションへの異動も可能となった。カスタマーサービス部門に所属していた11人の従業員は、コミュニケーション力や問題解決力を生かして、ディレクターや人事部門で活躍しているという。
異動前に実施したリスキリングを通じて、プロジェクト管理やリーダーシップスキルを習得した従業員が、会話型AIで企業の生産性向上を支援する新サービス「GMO即レスAI」の立ち上げにも貢献したとしている。
Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.
関連記事
「生成AIを全社にスケールさせるのは難しい」 アクセンチュアCEOが指摘する“そのシンプルな理由”
多くの企業が生成AIの導入を急いでいるが、アクセンチュアによると、多くの企業はまだ実験段階にあり、全社にスケールするのは難しいという。その理由とは。
Excel作業を時短する、覚えておきたい「関数」「ショートカット」大全
Excelの関数やショートカットは、身近な業務効率化の手段だ。これだけは覚えておきたい、便利なものを紹介する。