データ分析・基盤企業が占う2025年 命運を分ける要素は何なのか Databricks、Snowflake、Qlikに聞いた
2024年には生成AIのビジネスでの活用が本格化した。2025年においてデータ分析分野ではどのようなムーブメントが起きるだろうか。データブリックス・ジャパン、Snowflake、クリックテック・ジャパンに、2025年の見通しを聞いた。
2024年には生成AIのビジネスでの活用が本格化し、その可能性と課題、生成AIを支えるデータ基盤の整備などの重要性が徐々に認識されるようになった。
2025年においてデータ分析分野ではどのようなムーブメントが起きるだろうか。データブリックス・ジャパンの笹 俊文社長、Snowflake日本法人の東條英俊社長、クリックテック・ジャパン今井 浩氏(カントリーマネージャー)に、2025年の見通しを聞いた。
2025年、データ分析に“必要なもの”とは
笹 俊文氏(データブリックス・ジャパン 代表取締役社長)
生成AIがデータ分析へのアクセスを民主化したのは間違いありません。しかし、商用大規模言語モデル(LLM)は一般公開情報だけで学習するため、企業が必要とする品質を提供することが困難な場合が多くあります。そこで各企業は、LLMに自社データとガバナンスを統合した「データ・インテリジェンス」の構築を始めています。
このようなプラットフォームの導入が進めば、社内の誰もが自然言語を用いて生成AIと「会話」をするだけで、自社データから豊富で正確な考察を得ることができます。例えば、新たなタイプのBIツールである「Databricks AI/BI」は、自然言語のインタフェースと自社データを真に理解するAIとを組み合わせるため、高度な技術的知識やSQLスキルを必要としません。
データ・インテリジェンスを活用すれば、生産性の低いデータ分析を最少化でき、企業のIT部門の負担も減らせるでしょう。2025年は企業におけるAIとデータの利活用がさらに進み、正確な自社データ分析とそのデータへのアクセスを民主化するデータ・インテリジェンス・プラットフォームの必要性が、より高まっていくと考えます。
東條 英俊氏(Snowflake日本法人 社長執行役員)
2024年はSnowflakeにとって飛躍の年となりました。AIとデータが急速に進化する中、私たちは企業がデータを活用し生成AIや機械学習の可能性を最大限に引き出せる「AIデータクラウド」を拡大してきました。
Snowflakeは今、AIを活用する全てのビジネスの基盤となる存在を目指しています。単なる技術提供にとどまらず、データのセキュリティ、ガバナンス、そして容易に活用できる仕組みを提供することで、より多くの企業がAI時代で成功するための支援を続けています。
2025年はこの勢いをより向上させ、「THINK BIG」でさらなる飛躍を遂げるべく尽力してまいります。
今井 浩氏(クリックテック・ジャパン カントリーマネージャー)
2025年は、AIの力を効果的に活用した企業が成功に向けて有利な立場に立つでしょう。しかし、AIが革新をもたらすか、失敗につながるかは、ひとえにデータの品質にかかっています。古いデータや信頼できないデータを基にしていては、AIの導入を危うくするばかりか、ビジネスに負の影響を与えかねません。
私たちが2024年に実施した市場調査では、AIプロジェクトの遅延と失敗の原因が、AIが使用すべき信頼できるデータの不足であると日本の大企業の30%が答えています。これは世界平均の約1.5倍の比率となり、日本ではデータ品質への懸念が他国より高いという事実も明らかになっています。
2024年にはAIのためのデータプラットフォーム構築を支援する「Qlik Talend Cloud」、非構造化データをビジネスユーザーが安心して活用できる「Qlik Answers」をリリースしました。AIは2025年も生産性の向上やさまざまなビジネス環境の変化を引き続きもたらすでしょう。一方で、その活用方法については明確なコンセンサスが存在せず、車と同じようにAIと人が安全に共存できるための「ガードレール」の策定が急務となっています。
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