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そりゃダメだわ DXを外部の専門家に丸投げしたら失敗する“決定的な理由”【マンガ】『マンガでわかるDX』特別編集版(3)

DXのプロジェクトが立ち上がって1カ月、疲弊したDX推進室長の石動は「外部の専門家に依頼するのはダメなんですか?」とこぼしますが、松尾先生はキッパリ否定します。その理由は?

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 「DX(デジタルトランスフォーメーション)を推進しているが、なかなか成果が出ない」──そんな悩みを抱える中堅・中小企業は多いのでは。「何から取り組んだらよいのか迷っている」「そもそもDXに取り組む意義が分からない」という場合もあるかもしれません。

 本記事はSBクリエイティブ刊『マンガでわかるDX』(小峰弘雅、岡田陽介、柴山吉報 著、松尾豊 監修、漫画:おうみ)からDXで成果を出すためのポイントを紹介します。

あらすじ:外部の専門家に丸投げしちゃダメですか?

 なかなか成果が上がらず苦しんでいたDX推進室長の石動浩は、松尾豊先生(東京大学大学院教授)からアドバイスを受け、DX推進室のメンバーたちと新たな事業計画を立案。経営会議で承認を得て、パイロットプロジェクトとして進めることになりました。社内からメンバーを募り、プロジェクトが動き始めたように見えましたが……。

 プロジェクト開始から1カ月が経過し、松尾先生がDX推進室を訪れると、そこには疲弊したメンバーの姿がありました。石動は「外部の専門家に依頼するのはダメなんですか?」とこぼしますが、松尾先生は「外部に丸投げすると成功することはありません」とキッパリ否定します。いったいなぜでしょうか?

 以下、本書の抜粋からそのヒントを探っていきましょう。


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【解説】丸投げは不可能だと理解することが重要

 まず大前提としてDXを外部に丸投げする企業は例外なく失敗が待っていることを理解しましょう。DXは、企業が自身のビジネスプロセス、企業文化、顧客体験を改革し、よりデジタル化された未来に適応するための過程です。DXの成功は、新しいテクノロジーの導入だけでなく、その組織内での深い理解と実装が必要となります。従って、DXを外部に丸投げすると別のところで新たな問題が生じる可能性が高くなります。

 最も深刻な問題は、自身のビジネスの詳細やニーズを深く理解する外部エージェンシーを見つけることが難しいということです。各企業は独自のビジネスモデル、文化、価値観、そして顧客を持っており、これらの要素はDX戦略に大きく影響します。外部エージェンシーにとってはこれらについて深い理解を持つことが難しく、結果としてニーズを完全に満たすDXソリューションを提供することができないかもしれません。また、DXは一時的なプロジェクトではなく、絶えず進化するデジタルの世界に適応するための持続的なプロセスであるべきです。外部にDXを丸投げすると、プロジェクトの完了後に企業内に適切なスキルや知識がないために、その後の取り組みが継続的に推進されない可能性があります。

 さらに、外部エージェンシーが主導するDXでは、自社の社員の理解が得られない可能性があります。社員がDXプロジェクトに深く関与しなければ、新しいプロセスやツールの採用に抵抗するかもしれません。また、コストの問題もあります。DXは複雑で時間がかかるプロセスであり、それを外部に委託すると、そのサービスに対して高い費用が発生する可能性があります。これは特に、予算が限られている中小規模の企業にとっては大きな問題となり得ます。


 「小さく始めて拡大していく」ことを学んだDX推進室のメンバーたち。しかしパイロットプロジェクトでは、別の問題も生じているようです(続きは以下の書籍から)。

書籍紹介

マンガでわかるDX

マンガでわかるDX

著者:小峰弘雅/岡田陽介/柴山吉報

監修:松尾豊/漫画:おうみ

SBクリエイティブ 1,496円

松尾豊氏監修! DXをマンガでやさしく解説!

「DXとはデジタル技術を使って新しい価値を生み出すことです」

「今までビジネスは”利益を最大化”することが求められてきました。

これからはデジタルで”速さを最大化”する時代がやってきているのです」

DXっていまいち分からない……

そんなあなたへ「今からDX始めるにはどうすればいいのか」をマンガでやさしく解説。

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※この記事はSBクリエイティブ刊『マンガでわかるDX』から、アイティメディアが出版社の許可を得て一部加筆編集の上、転載したものです(無断転載禁止)。

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