さくらインターネット「さくらのAI検定」を創設 教材も無料公開:AIニュースピックアップ
さくらインターネットはAIの基礎から実践まで学べる「さくらのAI検定」を創設した。生成AI普及を背景に国内企業で専門人材不足が続く状況を踏まえ、AIサービス選択や安全な活用力を持つ人材育成を狙う。
さくらインターネットは2026年3月4日、AIの基礎技術から業務での利用まで体系的に学べる検定制度「さくらのAI検定」を創設したと発表した。同日から学習教材も無料公開されている。初回試験は2026年夏にオンライン形式で実施する予定。生成AI導入が広がる中、実務でAIサービスを適切に選び安全に利用できる人材の育成を図る。
「さくらのAI検定」創設の背景と内容は?
近年、企業で生成AI導入の動きが急拡大しているが、AI研究者や開発者など専門人材の不足が課題となっている。独立行政法人情報処理推進機構(IPA)の調査によると、日本企業の多くがAI関連人材の充足度について不足と回答した。米国やドイツと比べても人材層の薄さが目立つ結果となった。また日本企業のうち「AI研究者は自社には必要ない」と回答した企業が56.4%、「AI開発者は必要ない」と回答した企業が40.7%に達した。企業の多くが自社開発より外部サービスの利用を重視する傾向が浮かび上がる。こうした環境においては、AIの仕組みを理解した上でサービスを適切に扱う実務人材の重要性が高まる。
学び直しへの関心拡大も背景にある。日経HRが2025年に実施した調査によると、AI基礎知識や業務活用能力を認定する資格が取得したい資格ランキングで首位となった。AI分野の学習需要の強さが確認された形となった。
新設する「さくらのAI検定」は、AIの仕組みを理解するための基礎知識に加え、業務利用の判断力や実践力の習得を目的とする。出題範囲はAI基礎、同社のAI関連サービス、AI実践の3分野で構成する。
AI実践分野では同社が提供するAI基盤サービスの利用方法を扱う。「さくらのAI Engine」やGPUクラウドサービス「高火力DOK」の利用法などを学習対象とする。高火力DOKで「JupyterLab」を起動する機能など、実務利用を想定した出題範囲も含む。学習教材と検定試験は、教育プラットフォームを提供するzero to oneのオンライン環境で提供する。受験準備のための教材は無料公開とし、学習機会の拡大を図る。
さくらインターネットはこれまでデジタル人材育成に力を入れており、高専機構との連携など教育機会の拡大を進め、2024年にはクラウド技術を学ぶ「さくらのクラウド検定」を開始した。今回のAI検定はその取り組みをAI分野に広げる施策となる。同社は、AIが研究開発分野だけでなく産業や公共分野の基盤技術へ広がる状況を踏まえ、アルゴリズムだけでなく計算資源やクラウド、データ処理環境まで含めた理解が重要と位置付ける。AIを社会基盤として扱える人材のすそ野拡大を目指す。
Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.
関連記事
結局、M365 Copilotって元取れるの? グループ9000人に導入した住友商事に聞いた
住友商事が9000人の従業員にMicrosoft 365 Copilotを導入し、年間12億円の削減効果を算出。驚異的な数字の妥当性と、わずか2名で推進した大規模体制の裏側に迫る。
「2026年に取りたいIT資格」1位は“あのベンダー資格” 読者調査で読み解くトレンド
IT産業の拡大に伴い、資格取得への関心が高まっている。現代のエンジニアやビジネスパーソンが「次に狙うべき」資格は何なのか。読者アンケートの結果から、今選ばれている資格のトレンドと、実務で本当に役立つ資格を明らかにする。
「コーディングはAI任せ」でエンジニアは何をする? AWSが示す、開発の新たな“主戦場”
ビジネスでの生成AI活用が進む中、特にコーディングエージェントの進歩が著しい。AWSの年次イベントで語られた内容を基に、AI時代におけるエンジニアの役割の変化と、急速にあいまいになりつつあるビジネス職との境界線について考察する。
“AIエージェントの次”のトレンドは何か Gartnerが描く未来志向型インフラのハイプ・サイクル
Gartnerは、日本の未来志向型インフラ・テクノロジーに関するハイプ・サイクルを発表した。AIエージェントや完全自動化など9項目を新たに加え、2030年を目標とした産業変革の指針を提示している。
