世界クラウド市場、年間売上高5000億ドルを突破 OpenAIら「ネオクラウド」5社が世界トップ30入り:ITニュースピックアップ
Synergy Research Groupは、クラウド基盤支出が前年比で大幅増となり市場規模が年換算で5000億ドルを超えたと発表した。主要3社が高いシェアを維持しつつ新興企業の存在感も増している。
Synergy Research Groupは2026年4月29日(現地時間)、クラウドインフラサービス市場に関する最新データを公表し、2026年第1四半期の企業による支出が前年同期から350億ドル以上増加し、1290億ドルに達したと明らかにした。年換算の売り上げ規模は5000億ドルを超え、クラウド市場の拡大が続いていることを示した。
9四半期連続で成長加速、背景は?
同社によれば、前年比成長率は9四半期連続で上昇し、35%に到達した。これは2021年第4四半期以来の高水準であり、当時と比べ市場規模は大きく拡大している。成長の主因として生成AIの普及が挙げられ、クラウドサービスの需要構造に変化をもたらしている。
主要クラウド事業者の中において、Amazon Web Services(AWS)が依然として首位を維持した。他方でMicrosoftとGoogleはより高い成長率を示し、存在感を強めている。第1四半期の世界シェアはそれぞれ28%、21%、14%となった。
また第2層のクラウド事業者において、CoreWeave、OpenAI、Oracle、Crusoe、Nebius Group、Anthropic、ByteDanceなどが高い伸びを記録した。収益規模に基づくランキングではネオクラウドと呼ばれる新興企業のうち5社が上位30社に入った。
同社は、IaaS、PaaS、ホステッド型プライベートクラウドを含むクラウドインフラサービスの四半期の売り上げを1286億ドルと推計し、直近12カ月の累計では4550億ドルに達したとした。市場の大半はパブリッククラウドのIaaSとPaaSで占められ、これらは第1四半期に38%の成長を示した。パブリッククラウド分野では上位3社の集中度が高く、全体の67%を占めている。
地域別にみると、世界のほぼ全ての地域で成長が確認された。現地通貨ベースで特に高い成長を示した国として、インド、インドネシア、アイルランド、台湾、タイ、マレーシアが挙げられ、いずれも世界平均を上回る伸びとなった。
市場規模では米国が最大であり、その規模はアジア太平洋地域全体を大きく上回る。米国市場は第1四半期に37%の成長を記録した。欧州では英国とドイツが主要市場であるが、成長率ではアイルランド、ノルウェー、ポーランドが目立つ結果となった。
同社のチーフアナリストであるジョン・ディンスデール氏は、「現在の市場規模は10年前の15倍に達し、年率35%で拡大している。5000億ドル規模への到達はクラウドとAIがIT分野全体に与える影響の大きさを示している」と指摘した。また、今後も強い成長が続くとの見通しを示し、AIが利用拡大や新たな用途の創出を通じてクラウド事業者の収益を押し上げるとした。同時に、競争環境にも変化が生じており、ネオクラウド企業の役割が拡大している点に言及した。これらの企業は既に市場全体の約5%を占め、AI関連分野ではより高い比率を持つとしている。
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