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Salesforce、Slack無償提供開始 CRMとAIを統合した「会話型UI」へITニュースピックアップ

Salesforceは新規顧客にSlack無償版を標準提供すると発表した。CRM連携やAI機能を初期状態で利用可能にし、営業と顧客対応の作業集約を図る。Slackbotは記録更新や要約、通知整理などに対応し、生産性向上を狙う。

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 Salesforceは2026年4月29日(現地時間)、新規の「Salesforce」顧客に対し、「Slack」の無償ワークスペースを標準提供すると発表した。CRMデータとの連携を初期状態で有効化し、AI機能を組み込んだ業務環境を迅速に利用できるようにする。営業や顧客対応部門が複数ツールを往復する負担を減らし、SlackをSalesforce全体の会話型インタフェースとして位置付ける構想だ。

Slack内で営業、顧客対応を一元化

 今回発表された提供モデルでは、新たにSalesforce環境を開設した企業に対し、Slackワークスペースが自動生成される。既存顧客も管理画面からSlackを接続すれば同様の機能を利用できる。Salesforce側の権限設定も引き継がれ、CRMデータは既存環境内に保持される。

 Slackの画面にはSalesforce専用セクションを設ける。案件情報や顧客リスト、通知などへ即座にアクセス可能となり、営業担当者はチャット画面からCRM情報を確認できる。商談に関する会話内容もSalesforceレコードへひも付けられるため、意思決定の履歴共有を容易にする。顧客対応部門において、案件情報や担当者、AIエージェントが同じ場所で連携し、対応する構成となる。

 AI機能の中核には「Slackbot」を据える。SlackbotはSalesforceのデータを呼び出すだけでなく、メッセージ送信やチャンネル作成、ワークフロー起動なども実行可能となる。メール作成やカレンダー登録にも対応し、外部アプリへ移動せず作業を継続できる。今後はCRM更新機能も拡張し、音声メモからの通話記録登録や、商談内容を更新する機能を追加する計画だ。

 Slackbotには再利用可能なワークフロー「Skills」も搭載する。営業用の企業調査や案件要約、マーケティング用キャンペーン概要、顧客対応用エスカレーション情報整理、法務用契約要約などを標準搭載する。標準的なユースケースだけでなく、自社特有のニーズに基づいた変更も可能だSalesforceデータと外部アプリを横断的に扱える点も特徴だ。

 AIの判断過程を可視化する「Thinking Steps」も刷新する。Slackbotがどのような理由で回答や処理を実施したかを確認できるようにし、ブラックボックス化を抑制する狙いがある。加えて、大容量PDFや画像を含む資料の解析にも対応し、契約条件や価格情報の抽出を自動実行できる。

 Salesforceは、Slack導入による社内効果も公表した。社内では顧客対応時間が従来比で2倍高速化し、営業担当者の返信速度は21%向上したと説明する。Slackbot活用により、従業員1人当たり週20時間分の作業削減効果も得られたとしている。利用満足度は96%に達したという。

 新機能として「Today」ビューも導入する。Slackで優先メッセージや予定表、重要タスクなどを集約表示し、当日の優先業務を整理する仕組みだ。Salesforceや他のアプリから取得した情報をAIが分析し、対応優先度の高い案件を提示する。WayfairやXeroなど一部顧客企業において、AIが提示したアクション項目の正確性が97%に達したとする。

 併せて、新しい「Activity」タブも提供する。従来の通知一覧を整理し、案件や顧客ごとの会話状況をまとめて確認できるようにする。Salesforce関連チャンネルに絞った表示も可能で、営業案件や顧客対応状況を素早く把握できる。

 SlackbotはBusiness+およびEnterpriseプラン利用者用に提供する。FreeプランとProプラン利用者にも試用版を段階的に展開する。SlackbotによるSalesforce操作機能は5月中旬から提供開始予定で、「Today」ビューは5月中に順次展開する。Salesforceは、Slackを企業用AI業務基盤として拡張し、CRM、AIエージェント、外部アプリを統合した業務環境の普及を狙う。

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