トヨタファイナンスがAIエージェントを問い合わせ対応業務に導入 「非定型業務」を自動化:AIニュースピックアップ
トヨタファイナンスが、問い合わせ対応業務にAIエージェントを導入した。1件当たり13分かかっていた作業時間を4分に縮めたという。さまざまなAIエージェントが登場する中で、選定の決め手となったポイントとは。
自動車ローンやクレジットカード事業を手掛けるトヨタファイナンスは、問い合わせ対応業務にAIエージェントを導入し、1件当たりの作業時間を従来の平均13分から平均4分に短縮した。
「RPAの限界」をどう突破する? AIエージェント導入の背景
トヨタファイナンスは以前から、作業量の多い定型業務の自動化を進めてきた。一方で、従来の自動化では十分な投資対効果が見込めない、多種多量で定性的な判断を必要とする業務の自動化が課題になっていた。
同社は、RPA(Robotic Process Automation)だけでは対応が難しい業務領域に、AIエージェントを組み込みこむことで自動化を実現することにした。さまざまなAIエージェントが市場に投入される中で、トヨタファイナンスはどのように製品を絞り込んだのか。
同社が選定したのは、業務自動化プラットフォームを手掛けるUiPathが提供する「UiPath Platform」だ。
採用の決め手になったのは市民開発の実現性や自動化機能の充実度、サポート体制の3点だという。同社は「曖昧(あいまい)な点をAIに任せるのではなく、レガシー環境を操作できるロボット(UiPathにおける、自動化の実行を担うプログラム)とAIエージェントを組み合わせたプラットフォームの方が、業務自体をロジック化して高度な自動化を実現できる」と判断したという。
月数千件の問い合わせ対応をAIで自動化
今回同社がAIエージェントを適用したのは、Webサイトを経由した顧客からの問い合わせ対応業務だ。1カ月当たり数千件発生する。
同社は「Agent Builder in UiPath Studio」でAIエージェントを作成し、2026年1月に本番環境での稼働を開始した。
顧客情報システムなどからRPAのロボットが情報を収集し、AIエージェントが回答案を作成する。回答案の最終確認は従業員が実施する。こうした役割分担によって、従来は1件当たり平均13分かかっていた作業時間が平均4分に短縮された。
今後は経費精算にも導入予定
今後トヨタファイナンスは、AIエージェントの適用範囲をより広い業務領域に拡大する。経費精算業務における、IDP(Intelligent Document Processing ) 機能(編注1)を備える「UiPath IXP」(Intelligent Xtraction and Processing)導入に向けて検証を進めている。具体的には、請求書をUiPath IXPが自動で読み取り、後続処理をロボットが実行する形だ。
一方で、AIエージェントの利用拡大に当たって、情報システム部門のリソースでは迅速に成果を出すことが難しいという課題も浮上している。将来的には、情報システム部門が業務部門に働きかけて理解と協力を得ながら、市民開発体制の構築と発展を目指すとしている。
トヨタファイナンスの平野賢一氏(デジタル業務推進部 部長)は「今後もUiPathと連携しながら、より幅広い業務領域に展開し、オペレーションコストの抜本的な低減を図りたい」と述べた。
(編注1)IDPとは電子メールやPDF文書、スキャンされた文書といった非構造化データから、AIを利用してデータを抽出して処理する技術を指す。
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