Microsoft、「Copilot Cowork」の一般提供を開始 プロンプト単価は競合比で約4割安価に:AIニュースピックアップ
Microsoftは、Microsoft 365 Copilotの新機能「Copilot Cowork」の一般提供を開始。複雑な業務を自動化するエージェント機能で、プロンプト単価を競合比で約4割安価に抑えた他、強力なコスト統制機能も備える。
Microsoftは2026年6月16日(現地時間)、「Microsoft 365 Copilot」のユーザー企業向けに、新機能「Copilot Cowork」の一般提供を開始した。
同機能は、複数のツールを跨ぐ複雑な業務を自動化するエージェント型機能だ。競合比で約4割安価なプロンプト単価や、強力なコスト統制機能を備えているという。
Copilot Cowork、管理機能とコスト統制を強化
Copilot Coworkは、複雑で長時間に及ぶ業務を複数のツールやシステムを活用して自動実行し、成果物を返す。3カ月間の「Frontierプレビュー」期間中は、Fortune 500企業の過半数が利用した他、AccentureやAvanade、Advance Local、Capital Group、Koch、LTM、Ooredoo Qatar、Zurich Insuranceなども導入した。
利用事例として、バッチ処理用スプレッドシートの安全な編集と変更後の依存関係フローチャート作成の自動化、約4000件のファイル比較、停滞した営業案件の分析と優先順位付けなどを紹介した。従来は多くの手作業や長期間を要した業務の効率化につながったとしている。
Microsoftは、Copilot Coworkの特徴として、クラウドでの実行によるセキュリティ確保と継続処理、企業システムの情報を活用する「Work IQ」への対応、「Microsoft 365」内のセキュリティとコンプライアンス、複数モデルの活用が可能な設計、効率的な情報取得やモデル選択によるコスト削減を挙げた。
コスト面ではMicrosoft 365コネクターを利用した「Claude Cowork」との比較試験で、Copilot Coworkのプロンプト当たり費用が平均30〜40%低かったと説明した。比較結果は2026年6月に実施した125件のテスト結果に基づく。
今後数週間以内には、セキュリティ強化と低コスト化を目的に事後学習したモデル「Cowork 1」を投入する。一般提供開始時点ではAnthropicの「Opus 4.8」および「Sonnet 4.6」を利用でき、Frontier環境では「GPT 5.5」も選択可能となる。
利用量課金を採用、予算枠や利用上限の管理機能も充実
料金体系は、Microsoft 365 Copilotユーザーサブスクリプションライセンスの保有を前提とし、Copilot Coworkは利用量課金方式を採用する。料金はモデル利用量やコンテキスト取得、ツール呼び出し、実行時間の4要素から算出され、「Copilot Credits」で請求される。
Microsoftは予算管理への要望が多かったことを受け、管理機能を強化した。管理者はテナントやグループ、ユーザーの単位で利用上限や予算を設定可能となる他、支出額に応じた通知設定も利用できる。利用者が追加クレジットを必要とする場合は申請機能も備える。
利用状況の可視化機能として、テナントやグループ、ユーザー単位の利用レポートを提供する。各タスクの利用料金表示機能も一般提供開始後に追加予定だ。
支払い方法は従量課金のPayGoと、事前利用契約による割引を受けられるP3を用意した。PayGoの料金は1Copilot Credit当たり0.01ドル。Frontier環境では利用モデルを選択でき、業務内容に応じた費用調整が可能となる。
Microsoft 365 Copilotアプリには、チャット画面からCopilot Coworkへ切り替える専用トグルを追加した。
外部プラグインの拡充と既存基盤によるセキュリティ統制
機能拡張ではEnosixとHarvey、LSEG、Miro、monday.com、Moodys、Morningstar、S&P Global Energy、TeamsMaestroの9種類のパートナープラグインを提供開始した。AdobeやAtlassian、Box、Canva、CB Insights、Databricks、MoneyForward、Templafyへの対応も予定している。「Fabric」や「Dynamics 365 Sales」、Customer Service、ERPアプリ群も一般提供対象となった。
Webブラウザ利用機能では企業ポリシーに従った「Edge」経由のWeb閲覧に対応する。セキュリティ面ではプロンプトや応答、生成物を取り決めに従って既存のMicrosoft 365管理基盤で統制できるようにした。監査ログやDSPM、eDiscovery、Insider Risk Managementなどを利用できる他、Data Lifecycle Managementは6月22日に提供を開始する。Data Loss Preventionへの対応も計画している。
課金は発表当日に開始した。2026年3月30日〜6月16日のFrontierプログラム期間中にCopilot Coworkを利用したテナントについては、移行支援措置として2026年7月1日まで利用料金を請求しない。
Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.
関連記事
米2強が狙う“AI社員”の普及 Anthropicは「業務代行」、OpenAIは「運用プラットフォーム」
AnthropicのCoworkとOpenAIのFrontierは、AIが実務をこなす時代の到来を象徴している。ビジネスの現場はどう変わるのだろうか。
フジッコ、生成AIサービス「Lightblue」本格導入 決め手となった3つの評価軸とは
フジッコは、Lightblueの生成AIアシスタントサービスを導入した。200IDで運用し、社内のAI活用と生産性向上を支える。サービス選定における同社の決め手とは
ジョーシス、セキュリティ基盤に3つの新機能 ランサムウェア対策強化へ
ジョーシスは、漏えい認証情報の検知、AIエージェントの発見・管理、AIによるポリシー自動実行の3機能を投入し、人・AI・システムの認証情報を統合管理するアイデンティティーセキュリティ基盤を強化した。
サプライチェーン評価制度、大企業の8割超が対応着手 今後は取引先への要求強化へ
エムオーテックスは、大企業の83.5%が「SCS評価制度」の準備・検討を進めているとの調査結果を発表した。取引先に求める対策水準は、制度開始初年度の「星3相当」から、数年後には「星4相当」へ高まる傾向が分かった。