富士通と日本IBMの協業、ついに始動 COBOL刷新における「役割分担」は?:ITニュースピックアップ
レガシーシステムをどうモダナイズするかは、多くの企業における課題だ。富士通と日本IBMがこの領域での協業を発表した。ついに始動する、両社の協業における役割分担とは。
富士通に続き、日立(注1)がメインフレーム事業からの撤退を表明する中で、次世代基盤への移行が喫緊の課題になっている。基幹業務を支えるCOBOLアプリケーションが、システム刷新の“重荷”になっている企業は多い。長年培った業務ロジックを次世代基盤に移すには、業務知識と移行技術の双方が必要だ。COBOL技術者の高齢化と人材不足が深刻化している今、人手を中心とした従来の手法には限界が訪れつつある。
こうした中、富士通と日本IBMが、レガシーシステムのモダナイゼーション領域における協業を2026年6月17日に発表した。2025年9月に合意した両社の戦略的協業(注2)では、「AI」「ハイブリッドクラウド」「ヘルスケア」の3領域で協業を検討するとしていた。今回の発表によりハイブリッドクラウド領域における取り組みが始動した形になる。
協業における両者の役割は?
今回の協業の核となるのが、COBOLアプリケーションの刷新だ。
両社は、富士通のメインフレームやUNIXサーバで稼働するCOBOLプログラムをJavaへ書き換え、変換後のアプリケーション構造を見直すリファクタリングまでを一括して手掛けるとしている。
COBOLアプリケーションの刷新を核としたモダナイゼーションにおける両社の役割分担は次の通りだ。
富士通が中核ツールと体系的なスキルトランスファーを提供し、日本IBMがそれを受けた上で自社のAIエージェントと組み合わせ、顧客への提供主体となる。
リライト工程を担う「Fujitsu PROGRESSION」
リライト工程の中核となるのが、富士通のソースコンバートソリューション「Fujitsu PROGRESSION」(以下、PROGRESSION)だ。同ツールは、富士通のメインフレームおよびUNIXサーバで稼働するCOBOLプログラムを、Javaなどのオープン環境に適した言語へ自動変換する。富士通が蓄積してきた移行ナレッジを活用することで、業務ロジックの整合性や仕様との互換性を保ち、移行に伴うリスクを抑制する。
今回の協業に当たり、日本IBMは富士通から「PROGRESSION」に関する体系的なスキルトランスファーを受け、自社で同ツールを扱える体制を整備した。
リファクタリングを自動化する「IBM Bob」
変換後の工程は、日本IBMのAIエージェントが担う。同社の「IBM Bob」は、AIエージェント駆動型のエンタープライズ向け開発を支援する。COBOLからJavaへの変換後に発生するコードの補正や業務ロジックの検証、テストといった工程を自動化する。
リファクタリングでは、アプリケーション構造を機能ごとに分離する「クリーンアーキテクチャー」と呼ばれる設計手法を取り入れ、保守性や拡張性の高い構造に作り変える。リライトでJavaに置き換えるだけでなく、構造そのものを将来の変更や機能追加に耐えるものに刷新する。
富士通サーバの販売終了迫る IT部門に求められる決断
富士通は日本IBMとの協業とは別に、AIサービス「Fujitsu Application Transform powered by Fujitsu Kozuchi」を提供している。これは既存システムのソースコードを解析し、設計書を自動生成するサービスだ。富士通は本協業を通じて自社製ハードウェアをモダナイズするとともに、日本国内で稼働する他社製レガシーシステムのモダナイゼーションも推進するとしている。
両社の協業の背景には、富士通が公表しているハードウェアの販売、保守終了スケジュールがある。富士通のメインフレームは2030年度に販売終了、2035年度に保守終了、UNIXサーバは2029年度に販売終了、2034年度に保守終了を予定している。冒頭でも触れたように、日立もメインフレーム向け専用OS「VOS3」の販売を2027年11月に、保守を2034年12月に終了する。ハードウェアの自社開発と製造は2017年に終了している。
これらの基盤でCOBOLを使い続けている企業は、次世代基盤への移行をはじめ、今後の打ち手を考える時期に入った。現在メインフレームに残るシステムはこれまでオープン系への移行を見送ってきたミッションクリティカルなものも多い。IT部門は、時間が限られる中で慎重な検討を迫られる局面を迎えることになる。
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本記事は制作段階でChatGPT等の生成系AIサービスを利用していますが、文責は編集部に帰属します。
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