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「AIで仕事を奪われる」不安を消す条件 1686人調査で見えた“安心感の壁”Industry Dive

1686人を対象とした調査で、AIによる雇用への安心感を持つ層と深まる不安を抱く層の存在が判明。AI導入の方針や研修の不足から現場の不信感が募る中、企業が取るべき対応策とは何か。

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CIO Dive

「CIO Dive」について

 「CIO Dive」は米国のビジネスパーソン向けWebメディア「Industry Dive」の一媒体です。「CIO Dive」が発信する情報からITmedia エンタープライズの専門記者が厳選した記事を「Industry Dive」の許可を得て翻訳・転載しています。

筆者紹介:ペイジ・グロス(Paige Gross)(「CIO Dive」記者)

 エンタープライズAI分野を担当。2019年からスタートアップから大企業までテクノロジー業界を取材している。

 米国ニュース専門放送局のCNBCとアンケートツールを提供するSurveyMonkeyが共同で実施し、2026年8月18日(現地時間、以下同)に公表した調査(注1)によると、多くの人がAIの活用によって時間を節約できたとメリットを実感する一方で、AIが雇用の安定性に及ぼす影響を懸念する声も挙がっていることが分かった。両社は2026年7月、米国の労働者と学生1686人を対象に調査を実施した。

「AIで仕事を奪われる」不安を消す条件

 同調査によると、労働者のAI利用頻度にはばらつきがある。「毎日利用する」が30%、「週に数回利用する」が34%、「全く利用しない」が37%だった。だが、AIが雇用の安定性に与える影響について肯定的に捉えているのは、毎日AIを利用している層だけだった。週に数回以下しか利用しない回答者は、「AIによって雇用の安定性がより不安に感じられる」と答えている。同じ傾向は毎日利用する層でさらに顕著で、「AIによって雇用市場全体を楽観視している」と答えたのは、このグループだけだった。

 「たとえAIによる代替が近い将来に現実のものとなるわけではないとしても、従業員はAIによって自身の専門知識の価値が低下したり、これまで得意としてきた仕事内容が変わってしまったりするのではないかと懸念している」と、ガートナーのアダム・プレセット氏(バイスプレジデントアナリスト)は「CIO Dive」へのメールで伝えた。

方針の欠如と研修不足 CIOと現場の“ギャップ”

 従業員はAIの利用によって時間の節約と自身のスキルへの自信を実感していると回答している。しかし、公式なAI利用方針の欠如と、誰がこの技術を使うべきかについての一貫性のないガイダンスが、活用の足かせとなっている。

 2026年7月のテクノロジー分野の採用市場はまだらな展開となった(注2)。失業率は引き続き低下したものの、自動化が中核業務に深く浸透するにつれ、労働市場ではAIに精通した人材への需要が高まった。

 CNBCとSurveyMonkeyの調査によると、半数以上の経営者は公式なAIポリシーを設けていない。一方で、AIの使用に強く反対したり、完全に禁止したりする組織はごく少数だった。

 プレセット氏によれば、方針の不明確さが従業員の不信感を招いている。従業員は適切な導入や研修がされていないためテクノロジーを遠ざけており、「ツールの不具合について責任を問われる」「AIは自分たちのパートナーではなく、自分たちに押し付けられているものだ」と感じたりすることが多いという。

 「多くの組織でAIが導入されている現状に対して、不信感を抱くのは当然の反応だ」とプレセット氏は述べる。「AIツールは、たとえ回答が間違っていても自信満々に見えることがある。従業員はシステムがどのようなデータを使用しているのか、あるいはどのように判断を下しているのかを知らない可能性がある」

 フォレスターのJ.P.ガウンダー氏(バイスプレジデント兼プリンシパルアナリスト)はメールで、企業はAIに多額の投資をしてきたものの、従業員が職場でAIを活用する方法について十分な、あるいは全くトレーニングを受けていないため、CIO(最高情報責任者)が従業員に期待する能力と実際の能力の間には大きなギャップが存在すると述べた(注3)。

 「雇用主は、AIが従業員自身にもたらすメリットと、会社に純粋にもたらされるメリットを明確に説明することなく、従業員にAIツールの使用を強制してきた」(ガウンダー氏)

打ち手は「リスクの低い業務から段階拡大」

 テック業界を中心に調査を手掛けるThe Futurum Groupのニック・ペイシェンス氏(AIプラットフォーム担当バイスプレジデント兼プラクティスリード)はメールで、リスクの低い業務――従業員が既に慣れ親しんでいる文書作成や調査といった業務――から始め、段階的に導入範囲を広げていくCIOは、導入においてより大きな成功を収めるだろうと述べた。従業員がこうしたワークフローに慣れてきたら、組織はよりリスクの高い意思決定に移行できる。

 経営陣がAIの利用にどのように取り組むかによって、従業員はAIが仕事に悪影響を与えるのではないかという不安を軽減し、より安心して仕事に取り組めるようになる。多くの組織は「AIは使ってもいいが、使いすぎは禁物」「ROI(投資利益率)は追求せよ、だがAIにトークン(プロンプト量)を使いすぎるな(don’t tokenmaxx)」といった、矛盾したメッセージを発信している、とプレセット氏は述べた(編注1)。

 「彼らにとってこれは全く新しいテクノロジーであり、使い方と価値を見極める上での“ちょうどよいあんばい”を短期間で見つけつつ、日々の業務もこなすことが求められている」(プレセット氏)

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