AIサービス、AIソフトウェアを上回る「最大のAI支出分野」とは? ガートナー調査:IT調査ピックアップ
生成AIが「幻滅期」に入っても、AI関連市場全体の成長は続いている。中でも、AIサービスの2倍以上の額が投じられる分野がある。AI関連で最大の支出分野とは何か。
米Gartner社は2026年、生成AIをハイプ・サイクルで「幻滅期」に位置付けた。一方で、AI関連市場は引き続き拡大している
ガートナージャパン(以下、ガートナー)はこのほど、2026年の世界におけるAI支出総額が前年比49.5%増の2兆7000億ドルに達するとの予測を発表した。市場別の支出額では、AIサービスが5765億ドル、AIソフトウェアが4616億ドルに上る見込みだ(表1)。
ただし、最大の支出分野はAIサービスやAIソフトウェアではない。
AI関連市場、最大の支出分野は何か?
AI関連市場で、AIサービスの2倍以上の額が投じられている、最大の支出分野は何か。
最大の支出分野はAIインフラだ。ガートナーは2026年のAIインフラ支出を1兆4844億ドルと予測しており、これはAI支出全体の半分超を占め、AIサービス(5765億ドル)の2.5倍以上に当たる。
将来見込まれるワークロードをに備えた需要も拡大している。AIインフラについては、AIに最適化したIaaS(Infrastructure as a Service)やサーバ、AIネットワークファブリック、AI向けプロセッサ半導体およびデバイスなどに対する需要が引き続き強い。AIインフラ分野は、メモリ関連コストの上昇による価格圧力の影響をほとんど受けていないという。
米Gartner社のディスティングイッシュト バイス プレジデント アナリストのジョン・デイヴィッド・ラブロック氏は、「AIデータセンターの処理能力拡大は、人類がこれまでに手掛けた中で最大規模のインフラプロジェクトだ。ハイパースケーラーやサービスプロバイダーによるAI最適化サーバの購入に伴う処理能力拡大が、AI支出の最大分野であり続ける」と分析する。
一方、ラブロック氏によると、企業はビジネストランスフォーメーション全体の支援を目的としたサービスを求める機会を減らし、既存ソフトウェアシステムのAI機能を活用する比較的小規模な間接プロジェクトでサービスプロバイダーを利用する傾向を強めているという。「ベンダーロックインやデータ主権、コスト増大に関するリスクがあるにもかかわらず、企業のこうした独自機能に対する導入意欲は衰えていない」(ラブロック氏)。変革プロジェクトと間接プロジェクトの組み合わせにより、AIサービス市場が2030年までに1兆2000億ドル規模のビジネス機会を創出すると同氏は予測する。
AIアプリ開発と生成AIモデルも伸長
ガートナーはAIアプリケーション開発プラットフォームについて、2026年の成長率を前回予測時(2026年5月)の28%から今回の予測では39%に上方修正した。企業やソフトウェアベンダー、サービスプロバイダーがそれぞれのニーズに合わせたカスタムAIアプリケーションの開発を進めていることが背景にあるとしている。
同社は企業とソフトウェアベンダーのニーズについて次のように整理している。
- 企業側: AIの導入・利用に伴うコスト管理の支援や、導入効果を評価するための利用状況トラッキング機能をワークフローに組み込むことへのニーズが高まっている
- AIモデルベンダー、サービスプロバイダー: 企業のユースケースに適合し、より費用対効果の高いモデルを提供することが求められている
こうしたニーズに対応するために、特定の業務領域や用途に特化したドメイン特化型言語モデル(DSLM)の市場機会も小規模ながら拡大しつつあるという。
こうした背景から、ガートナーは、生成AIモデル市場についても2026年成長率予測を前回予測の110%から今回予測では117%に上方修正した。
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