大企業はAIコストを管理できていない サイボウズ調査で浮かび上がった「3割の壁」:IT調査ピックアップ
サイボウズの調査によると、今後3年間でAI投資を増やす大企業が7割に上る一方で、AIコストを全社で把握できている企業は3割に届かないという。“AIコスト激増時代”における実態に迫る。
AIにかかるコストが当初の想定よりも上振れするケースが増える中、企業はコストを管理できているか。
サイボウズは2026年10月14日、「大企業におけるAI活用実態調査」の結果レポートの第2弾として、「コスト・ガバナンス・データ活用編」をWebサイトで公開した。
同年9月30日公開の第1弾(注1)に続き、第2弾となる今回のレポートではAI活用を支えるコストやガバナンス、業務データの状況を取り上げている。
今後3年のAI投資、7割が「増加」させる予定
今後3年間のAI投資の方針・計画を尋ねた設問に対し、「大幅に増加させる予定」が23%、「やや増加させる予定」が47%で、合わせて70%が投資を増やすと回答した。
AI投資を増やす企業が7割に上る一方、その投資を支える管理体制はどこまで整備されているのか。その実態を、調査で明らかになった、企業が利用しているAIツールの種類やAIエージェントにかかるコストの把握・管理の状況とともに紹介する。
全社のAIコストを把握できている企業の割合は?
AIツールやAIエージェントにかかるコストの把握・管理状況は「部門・プロジェクト単位では把握できているが全社での把握はできていない」が32%で最多だった。全社で一元的に把握できている企業は29%だった。サイボウズは、全社横断でのコストの可視化は限定的だとみている。
今後のAIコスト増大への備えとしては「対応を検討・準備中」が44%で最多となり、「予算計画・管理の仕組みをすでに整えている」は14%にとどまった。コスト増大への備えが確立している企業はまだ少数派であり、投資の拡大に管理体制の整備が追い付いていない実態がうかがえるとサイボウズは分析している。
AI活用のための予算の位置付けは、「IT予算・DX予算の一部」が53%で最多となり、「事業部門・機能部門予算の一部」が23%、「AI専用予算として独立」が20%で続いた。
AIガバナンスは51%が策定済みで運用中
AI活用に関するガバナンスの整備状況は、「策定済み・現在運用中」が51%で最多となり、半数を超えた。残る約半数は未策定で、「策定中・準備中」が27%、「おおまかなルールがある」が16%、「予定はない」が7%だった。
社内で利用が認められているAIツールは「Microsoft Copilot」が66%で最多だった。続いて、「ChatGPT」が46%、「Google Gemini」が33%、「Claude」が14%となり、大手AIプロバイダーのツールが選ばれていた。
主要な業務システムとの連携は11%
業務系システムとAIの連携状況は「一部システムと連携」が31%、「連携を検討中・計画中」が25%だった。「主要な業務システムと連携」は11%にとどまった。
全社でのコストの一元把握(29%)、コスト増大に備えた予算計画・管理の仕組み(14%)、主要な業務システムとの連携(11%)と、AI活用を支える土台に当たる項目は、いずれも3割に届かなかった。一方、AIガバナンスは半数を超える企業で運用され、業務データのAI活用も半数を超えた。
同調査は2026年7月6〜9日に実施された。サイボウズは、従業員数1000人以上の企業・団体(情報通信業を除く)の経営者やIT・DX関連の担当者から551社の回答を得たとしている。
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