映画ライターが厳選！　これは見ておきたい「アニメ映画」3選【2025年5月版】（1/2 ページ）

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これは見ておきたいアニメ映画1：『ルックバック』

　2024年に劇場公開された『ルックバック』は、『チェンソーマン』の原作者・藤本タツキさんによる同名漫画を原作とした作品です。原作は「少年ジャンプ+」で発表されると、SNSを中心に爆発的な話題を呼び、国内外から高く評価されました。

　映像化にあたっても作品全体を通して緊張感が維持されており、エモーショナルな描写や表現を大切にしています。本編約1時間と短編映画ながら、抜群の没入感でストーリーに引き込まれます。

　物語は、漫画家を志す2人の少女が、努力と挫折、友情そして喪失を経験しながら成長していく様子を描いています。また、声の出演は主人公・藤野役に河合優実さん、もう一人の重要人物・京本役には吉田美月喜さんが起用されました。幼くて不器用なキャラクターをみずみずしく、丁寧に演じています。

　独特の世界観と、衝撃的な結末はこの作品にしかない魅力です。Amazonプライム・ビデオで視聴可能ですので、次に見る1本にぜひ選んでみてください。

これは見ておきたいアニメ映画2：『すずめの戸締まり』

　2022年に公開された『すずめの戸締まり』は、『君の名は。』『天気の子』で知られる新海誠監督の作品です。新海監督の作品は欠かさず見るというファンも多いかもしれません。

　17歳のすずめは、ある日“扉”を探している青年・草太に出会います。そしてその青年は、山の廃墟にたたずむ古い扉を見つけます。やがて日本各地にある“扉”が開き始め、災いを防ぐためにすずめたちは扉を閉める旅に出ることになり……。

　主人公・すずめの声を原菜乃華さんが、すずめと行動を共にする青年・草太を松村北斗さんが務めました。キャラクターに合った声で臨場感があり、見ている人を映画の世界に引き込んでくれます。

　新海監督ならではの映像や色彩の美しさと、耳に残る映画音楽は本作でも健在で、見どころの1つです。一部震災を思わせるような描写があり、辛く感じる人もいるかもしれません。

これは見ておきたいアニメ映画3：『デッドデッドデーモンズデデデデデストラクション』前章・後章

　浅野いにおさんによる人気漫画が原作の映画『デッドデッドデーモンズデデデデデストラクション』は、2024年に前編・後編の2部作で劇場公開されました。原作は、侵略者による地球滅亡の危機というSF設定を背景にしながらも、実際に描かれるのは等身大の日常と青春で、多くの人の共感を呼ぶ作品です。

　浅野いにおさんの独特の世界観を、アニメ映画でも巧みに再現しています。

　さらに小山門出役の声に幾田りらさん、中川凰蘭役にあのさんが抜擢されたことでも話題になりました。歌手やタレントとしての活動で知られる2人ですが、声優として新鮮な魅力を発揮しており、ナチュラルな演技が相まってこの作品のリアリティさを支えています。2人の新しい一面を見たい人にもぴったりな作品です。

　空に巨大なUFOが浮かんでいる不思議な状況の中でも、人々はアルバイトをしたり、ゲームをしたり、友人と笑い合ったりして何気なく過ごす日々がかえってリアルさを増していて、見る者の心を掴むポイントでもあります。

　現在、Amazonの「アニメタイムズ」加入後に視聴可能となっているので、劇場で見逃してしまった人も鑑賞のチャンスです。

　今回は、近年公開された作品の中から、今の時代のテーマやメッセージを描き出す「これは見ておきたいアニメ映画」を3本紹介しました。劇場で鑑賞した人も、見たかったけれどまだ見ていないという人も、この機会にぜひチェックしてみてください。

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