高画質じゃなくていい。富士フイルムの「X half」は“写真を撮る楽しさ”を思い出させてくれる一台だった(1/2 ページ)
富士フイルムの「X half(エックスハーフ)」は、「もっと純粋に写真を楽しみたい」「撮る行為そのものを味わいたい」という気持ちに真正面から応えてくれた一台でした。
スマートフォンのカメラは手軽だけど、どこか単調で味が出ない。でも、一眼レフやミラーレスは大きくて重く、持ち出すのに気合いが必要……。そんな間を埋めてくれるような、コンパクトで“撮る楽しさ”が感じられるカメラをずっと探していました。
そして出会ったのが、富士フイルムの「X half(エックスハーフ)」です。「もっと純粋に写真を楽しみたい」「撮る行為そのものを味わいたい」という気持ちに真正面から応えてくれた一台でした。
小林ユリ
「毎日を楽しく!」がマイテーマ。旅先から持ち帰ったお気に入りのアイテムが並ぶ2畳の仕事部屋から“暮らしがちょっと良くなる”情報を発信しています。家電・生活雑貨・コスメ・文房具が好きで、取材・インタビューや収納アイデア、愛用品レビューなど、幅広いジャンルを執筆。
プライベートではゲームとカメラと自転車に夢中。整理収納アドバイザー2級、ヨガインストラクションマスターなどの資格も保有しています。
スペック重視じゃなく、体験で選びたい人のためのカメラ
スマホで十分きれいな写真が撮れる時代に、あえて“フィルム的な不自由さ”を楽しむために生まれたのが「X half」です。
2025年6月に登場し、ハーフサイズフィルムの撮影感覚をデジタルで再現するという、少し個性的なデジタルカメラ。画質の良さや解像感を競うのではなく、狙っているのは、ノスタルジックで少しレトロな雰囲気の写真の撮影体験。「フィルムカメラが好きだけど、現像が面倒」「ランニングコストがかかる」などの理由で距離を置いていた人にとって、X halfはまさに「いいとこ取り」の存在です。
公式サイトでの販売価格は11万8800円(税込)。気軽に買える価格ではないので、このあたりの割り切りをどう捉えるかで評価が分かれそうです。
「今日も持っていこう」と思わせてくれるサイズ感
コンパクトなサイズ感もまた、X halfらしい特徴です。本体サイズ約105.8(幅)×64.3(高さ)×45.8(奥行き)mm、重さは約240gで、普段使いのバッグにもすっと収まります。
「今日は写真を撮るぞ」と構えなくても、“とりあえず持っていく”ができるサイズ感がちょうどいいです。カメラを持ち出すハードルの低さが、結果的にシャッターを切る回数を増やしてくれました。
仕事で写真を撮ることが多い筆者ですが、X halfを使っていて感じたのは、「うまく撮ろうとしなくていい」ということ。撮る楽しさを思い出し、すっかりハマってしまいました。今ではどこに行くにも持ち歩いています。
写真に物語が生まれる2in1機能
X halfの大きな特徴が、2枚1組で1枚の写真を作れる「2in1」機能。2つの縦構図を並べて、横長の写真として保存できます。作り方は簡単で、撮影中にレバーを引くだけでOKです。
ストーリー性を持たせた雰囲気の1枚を作るのもすてきですが、メモ機能のように使うのも便利です。例えば「カフェのドリンクと外観」「建物の外と中」などを組み合わせておくと、見返したときに記憶を鮮明に思い出しやすくなる気がします。
撮影時だけでなく、後からアプリで組み合わせることが可能なのも使いやすいと感じるポイント。「この2枚、セットにしたらよかったな」という後悔がないのはうれしいです。
撮った後も楽しめる、スマホ前提の設計
X halfは1インチセンサーを搭載し、有効画素数は約1774万画素。最近の高画素機と比べると控えめですが、その分転送速度が速く写真1枚あたりのデータが重すぎないため、スマホ保存が快適に行えます。
また、横に構えた状態で3:4の縦構図の写真が撮れるのも特徴。スマホの壁紙やSNSとの相性も良く、「撮った後のことまで考えられているカメラ」だと感じました。何をするにもスマホありきの現代では、大きな強みといえそうです。
編集しなくても“それっぽい”。富士フイルムらしい色合いも魅力
フィルム表現は、さすが富士フイルム。「クラシックネガ」や「リアラエース」など13種類のフィルムシミュレーションが搭載されています。
また、光が漏れたような「ライトリーク」や光が滲む「ハレーション」に加え、独特の色味を持つ「期限切れフィルム」、遊び心のある「ミラー」など、19種類のフィルターも搭載されています。
編集前提ではなく、撮ったそのままで使える完成度なのが魅力。フィルムライクな色表現のおかげで、編集しなくても雰囲気のある仕上がりになります。仕事用のカメラとは違う、この“気楽さ”がとてもいいです。
フィルムカメラモードもクセになる
X halfには、フィルムカメラのように撮り終わるまで写真を一切確認できないモードも搭載されています。指定した枚数を撮り切るまで、フィルムの変更や液晶を見ながらの撮影もできません。
そしてフィルムカメラモードで撮影した写真データは、撮影後に専用アプリでデジタル現像を行うことで見られるようになる仕様。かなり尖っていますが、この不便さが逆に楽しいんですよね。
もちろん通常モードでは、一般的なデジカメのように使えるので安心です。
カフェも道端も、気負わず撮れるスナップ性能
レンズは32mm相当の単焦点で、街並み・風景などの背景を生かしたスナップが撮りやすい画角です。
また、レンズ先から最短約10cmまで寄れるのもうれしいポイント。カフェの料理・小物・道端の花などをアップで写した写真撮影も得意です。
さらに、F2.8という明るいレンズと1インチセンサーの組み合わせにより、背景を柔らかくぼかして被写体を際立たせることも可能です。もちろん一眼レフで使うレンズと比べるとボケはかなり控えめですが、十分雰囲気は出せます。
ただ、X halfはできることがかなり割り切られています。例えばRAW撮影はできませんし、細かな設定もできません。そのため「1台ですべてこなしたい」「仕事用に使いたい」という人には、正直向きません。
でも、写真を楽しみたい人や日常を気軽に残したい人にとって、X halfは写真との距離を縮めてくれる存在に感じられるはず。忙しい毎日の中で「ちょっと立ち止まって撮る」きっかけをくれるカメラです。
ちなみに、コールドシューやソフトシャッターレリーズで「自分らしいカスタムを楽しめる」のもポイント。こういうちょっとしたカスタムって、テンション上がります。
高画質じゃなくていい。失敗してもいい。ただシャッターを切る、その時間を楽しめればいい。スマホでも一眼でも満たされなかった写真欲を、X halfは撮る時間そのものを通して満たしてくれました。
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