【プラモ作りをもっと楽しく】紙ヤスリには戻れない? 自分好みに“育てる”研磨ツール「無限ブラシヤスリ」(1/2 ページ)
今回使ってみるのは「無限ブラシヤスリ」。何やら聞き慣れない名前ですが、6月13日にプラモ向上委員会から発売された研磨ツールです。一言でいうと電動リューターの先端に装着するビットになるのですが、特徴はその名の通り「ブラシ状」であることです。
皆さん、最近「プラモデル」を作っていますか?子供のころはよく作っていたけど最近は全然……という方も少なくないのではないでしょうか。
今回はそんなプラモデル作りの最新ツールを紹介します。この記事を読んだら久しぶりに作ってみたくなるかも?
「削る」の新常識?「無限ブラシヤスリ」とは
今回使ってみるのは「無限ブラシヤスリ」。何やら聞き慣れない名前ですが、6月13日にプラモ向上委員会から発売された研磨ツールです。
一言でいうと電動リューターの先端に装着するビットになるのですが、特徴はその名の通り「ブラシ状」であることです。
電動ヤスリというと通常はヤスリのついたヘッドを回転、もしくは前後にストロークさせてパーツを研削する、というスタイルを想像すると思います。このツールのヘッドに使われているのはヤスリではなくセラミックファイバー製のブラシ。このブラシを、リューターと呼ばれる小型の回転工具に取り付け、高速回転させてパーツを削っていきます。金属加工などの世界ではシリコンバフやワイヤーブラシを用いた研磨ツールがありますが、そのプラモ版と捉えると分かりやすいかもしれません。
では実際に使ってみましょう!
ブラシの研磨面はそれぞれの繊維の「先端」のみとなっています。繊維の側面には研削力がないため横から力を入れてしまうと折れてしまうおそれがあるとのこと。そのため線維の先端をパーツに当てるためにブラシ形状を刈り込む必要があるのです。
ブラシの加工には付属の「ダイヤヤスリプレート」を使います。ブラシをリューターにセットしてダイヤヤスリプレートに押し付けて回転させながら形を整えます。
先端を尖らせる=斜めの角度を深くするほど研磨範囲が広くなり、切削力は弱くなります。逆に先端の角度を浅くすると研磨範囲が狭まる反面切削力はアップします。
ヤスリプレートでゴリゴリと先端を削っていきます。言葉で説明するとちょっと面倒くさそうですが案外楽しいです。最初は恐る恐るでしたが、やっていくうちに力の入れ加減やどれくらいのリューター回転数が適しているかもなんとなく分かってきます。この工程が無限ブラシヤスリのチュートリアルになっていると言えるかもしれません。ちなみに粉が結構出るのでマスク、メガネ等推奨です。
加工が終わりました。今回は「粗目」を角度浅めのパワー型、「中目」を先端を尖らせたワイド型としています。ではいよいよパーツを削ってみましょう。
「粗目」でパーツの合わせ目消しにトライ
まずは「粗目」から。番手でいうと#400~600相当とのことなのでパーツのあわせ目消しに使ってみます。
道具は違えどやっていることはいつもと同じです。通常のヤスリを使っている感覚と変わらず、作業できます。電動だから削りすぎてしまいそうな心配もありますが、実際にやってみると思った以上にしっかりコントロールできます。一度削ると元に戻せないのは普通のヤスリでも一緒なので、やっているうちにあまり気にしても仕方ないと達観してきます(とはいえリューターの回転数は少なめから始めることをオススメします)。
特に考えなくても均等な力でパーツを削れるので、通常のヤスリがけよりもスピーディというか脳のリソースを使わずに進められます。これは長時間の作業を考えると案外大きいかもしれません。何よりもシンプルに楽しいです。
また、目詰まりしないことも見逃せないメリットです。手を止めることなく切削作業を続行できるので効率もアップします。
削りから仕上げまで使える「中目」
では次は中目を使ってみましょう。先ほど粗目で削ったパーツの表面をさらに仕上げていきます。こちらの番手は#800~1000相当。完成形をどこに置くかにもよりますが、合わせ目仕上げとしては十分使えると言っていいでしょう。
こちらもやること自体はおなじみの流れ。紙ヤスリと違って、ヤスリ部分の先端が見やすく、また硬さのおかげでピンポイントに力を入れやすいので細かいパーツの場合は無限ブラシヤスリにアドバンテージがあるかもしれません。
中目に関してはもう一つ、ヒケの処理についても試してみたいと思います。ヒケとは、部品の表面が平面でなくなだらかにへこんだ状態で、プラモデルを成形する際にどうしても起きがちなものです。これを平面にするひと手間が仕上がりを左右します。
サンプルとして、ちょうど昔適当にサーフェイサー(塗装前に塗る下地剤)をかけたパーツがあったのでこれを使って表面をならしていきます。通常であれば#1000~1500くらいの番手の紙ヤスリで仕上げていく状況でしょう。ここで「無限ブラシヤスリ」中目を使っていきます。
このパーツは全体的に凸モールドがあり紙ヤスリでの平滑処理とは相性が悪そうですが、無限ブラシヤスリなら接地面の面積を小さくできるので(ブラシの加工次第ですが)モールドのギリギリまで攻めることができます。ブラシの形状のパターンを複数備えておけば、さまざまな形のパーツにも対応できそうです。
導入コストはかかるものの試す価値はアリ
以上、「無限ブラシヤスリ」を使ってみた感想でした。あらためてメリットをまとめてみると
- 均等な力で継続的に切削できるのでラク
- 目詰まりしない
- ブラシ形状をアレンジすれば紙ヤスリでは削りにくい形状のパーツを処理しやすい
- いろんな形のブラシを揃えて対応できるパーツや状況を増やせる
といったところでしょうか。
あえてデメリットを挙げるなら割と安くはないことでしょうか。1個2750円(税込)なので複数揃えようとするとそれなりの金額になります。ものにもよりますがリューターのビットとしても高い部類かと思います。
また、リューター自体を持っていないと使えないことにも注意が必要です。当然ではありますが、あくまでもビットなので本体がないと使えません。リューターは必ずしも皆が持っているようなツールではないと思うので手持ち機材の状況によってはハードルがあります。
導入面でやや障壁はあるものの、使い始めてみれば便利さは身に沁みてくるはず。もちろん紙ヤスリや金属ヤスリなどのツールと使い分けながらにはなりますが、プラモ作りの時間をより快適にしてくれることでしょう。
「無限ブラシヤスリ」、いかがだったでしょうか。いろいろとメリットを挙げてみましたが、ブラシを加工することで自分だけの使い方にカスタマイズできるのが一番大きな楽しさかもしれません。宮大工さんは寺社仏閣の複雑な意匠に対応するために自分だけの一点ものの工具を自作するといいますが、そんな匠の気分を味わうこともできるツールです。機会があったらぜひ手にとって試してみてください。
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