できるプロジェクトマネージャのノウハウとは?:有能プロジェクトマネージャ育成術(2)(2/3 ページ)
ITプロジェクト推進などで最も普遍的な課題に「有能者の不足」がある。通常、移転・共有できないと思われている有能者の知恵・能力も記述可能だ。今回は、独立系SI企業“E社”を舞台に、有能者から抽出されたPMノウハウがどのようなものか、見ていこう。
抽出されたG氏のPMノウハウ
コンサルタント 「Gさんは、このような協力会社リーダーとの対話を励行されていますが、貴社の一般PMの皆さんはどうされているのでしょうか」
G氏 「多くのPMは、このような対話はしていないと思います。定期的に会議はしていると思いますが、ひどい場合はメールだけで済ませようとしているようです」
コンサルタント 「会議やメールだけではどうしていけないのですか」
G氏 「直接会わないと、際どいことはいえないし、聞くこともできませんよね。会議では周囲に人がいますから、能力問題など口にできません。またメールでは普通に伝えたつもりでも感情的にヒートアップしてしまうことがありますよね。メールだけでOKと思っているPMは、そもそも事務連絡しかする必要はないと考えているのかもしれません」
コンサルタント 「Gさんはそれに比べてどんなことに気を付けていらっしゃるのですか」
G氏 「私はプロジェクト遂行中の、自社と協力会社との間の貸し借りに気を付けています。特に皆の前では公にできないことで、相手の注文を聞いてあげたり、こちらの注文を聞いてもらったりします」
コンサルタント 「ということは、協力会社リーダーとの直接対話の結果を、相互に改善するということですね」
G氏 「ええ、そうです。能力問題などの際どい話は互いに相手から聞いたといわずに改善するようにしていますし、相手にもそれを求めます」
コンサルタント 「なるほど、つまり『人のレベルや体制に関する問題は3人以上の人がいるフォーマルな場では、よほど問題が大きくなるまで指摘することがはばかられる。だから協力会社リーダーと1対1の対話の場を持ち、そこで積極的にこのような問題を相互に指摘し、対応をすることで早期に問題をつぶし、一般のPMよりも高い生産性を上げている』わけですね」
G氏 「ええ、そのとおりです」
コンサルタント 「論理はよく分かりました。しかし論理が分かったからといって誰でもできるわけではなさそうですね。例えば貸し借りの状態を認識し続けることとか、どこまでいえるか、そもそも相互に指摘できる関係をどのように作るかなどについて教えてください」
(インタビューは続く、以下省略)
このインタビューによって抽出されたPMノウハウは次のものである。
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