2001年のドットコムバブル崩壊を転換点として、Webの世界が新しくパラダイムシフトを起こしつつあることを示す言葉。インターネットで提供されている各種のサービスや機能、使われている技術(の組み合わせ)、ビジネスモデル、利用法、企業文化などを含むトレンド全体をいう。
2004年に米国の技術系出版社オライリーとイベント会社メディアライブによるブレーンストーミングの中で生まれた言葉だとされ、同年両社で第1回Web 2.0カンファレンスを開催した。翌年第2回カンファレンスに合わせて、提唱者の1人であるティ厶・オライリー(Tim O'Reilly)が「What is Web 2.0」という論文を発表して、広く知られるようになった。
オライリー自身、Web 2.0を「明確な輪郭を持たない」としており、どの条件を満たせばWeb 2.0であるというような定義はないが、発想の中核にあるのがインターネット上に散在するデータを、群集の力で構造化・意味化・文脈化することである。オライリーは、Web 2.0サービスには次のような特徴があるとしている。
- Webをプラットフォームとして、幅広い層(ロングテール)にアプローチする。ロングテール)にアプローチする。
- ユーザー参加の仕組み(アフィリエイト、SNSなど)により、ユーザー相互の活動が付加価値を生み出す。アフィリエイト、SNSなど)により、ユーザー相互の活動が付加価値を生み出す。
- 地図・位置情報・個人情報のような大規模データソースを整備し、マッシュアップなどによって有効活用する。
- 継続的サービス提供のために、継続的な開発(永遠のベータ版)を行う。
- 標準的で軽量なプログラミングモデル(SOAP、RSS、Ajax)を採用する。
- 各種デバイスを視野に入れ、総合的なサービスとしてアプリケーションを設計して、豊かなユーザー・エクスペリエンスを提供する。ユーザー・エクスペリエンスを提供する。
Web 2.0が登場した背景要素には、XML関連技術の整備・普及がある。これにより、データ交換が容易に行えるようになるとともに、メタデータとして情報の「意味」や「価値」「文脈」を記述できるようになった。こうした情報の収集・追加・整理・評価といった作業を1人の作業者、1つの企業で行うのではなく、多くの人間がインタラクティブかつコラボレーティブに行う仕組みを構築している企業がWeb 2.0企業だといえる。
より巨視的に見れば、フリッツ・マッハルプ(Fritz Machlup)『知識産業』、梅棹忠夫『情報産業論』、アルビン・トフラー(Alvin Toffler)『第三の波』などで予言されていた“知識社会”“情報社会”がより一層、具体化したものだということもできよう。
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