ユーザーが開発者などからソフトウェア提供を受けるに当たり、必要な機能のみを選択して利用できるようにしたソフトウェアのこと。それを実現するためのメカニズム、あるいはそのようなソフトウェア提供形態(デリバリモデル)のことをいう場合もある。
いわゆるパッケージソフトウェアは、多くのユーザーが共通に使用するソフトウェア機能の集合体と見なすことができるが、一般にソフトウェアの進化・成長に伴って「肥大化」――ある特定ユーザーから見たとき、あまり使用しない機能の増加を招く。
その解決策として、ケーブルテレビや電話などの“サービス”のように、ユーザーが利用したい機能を必要になったときにネットワーク経由でサービスプロバイダから直接入手し、その使用分に対して対価を支払うようにするというコンセプトがSaaSである。
1999年、マイクロソフトが.NET構想の目的として掲げたものの1つで、当初はインターネット経由でローカルマシンにソフトウェア・コンポーネントを動的にインストールするモデルが想定されていたが、今日一般にSaaSという場合、サーバサイドで実行するモデルも含まれる。
今日ではASPとほぼ同義語と見なされているが、「従来型ASPはシングルテナント(ユーザーごとにサーバやデータベースを個別に用意するスタイル)、SaaSはマルチテナント(サーバやデータベースを複数のユーザーで共有し、パラメータやメタデータでカスタマイズできるようしたもの)」という区別がされる場合もある。
参考文献
▼『SaaSで激変するソフトウェア・ビジネス──ソフトウェア業界を揺るがす破壊的イノベーション』 城田真琴=著/毎日コミュニケーションズ/2007年11月
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