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北京出張報告編?北京ダックはやっぱりうまい!現地からお届け!中国オフショア最新事情(7)(2/3 ページ)

今回は番外編として、筆者が2006年10月に行った北京出張の様子を紹介する。出張の目的は北京ITビジネス環境の視察である。5泊6日の日程中はオフショアベンダに加えて、中国市場で活躍するITベンチャー企業や、中国の最高学府である清華大学と北京大学を訪問した。

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3日目?4日目:学食で北京ダックの美味におぼれる

3日目:中国トップ大学は学食もトップだった!?

 2006年10月28日(土)、この日も早朝から大型バスをチャーターして精力的に活動します。まず向かった先は、中関村にあるIT人材育成の専門学校。休日にもかかわらず、ちょうどある検定試験の真っ最中でした。

 ここでは、Javaや.NETなどの開発言語に始まり、ゼロからIT技術者を育成するカリキュラムになっているようです。日本向けブリッジSEの育成機関ではないですが、将来この学校出身のIT技術者が大挙して日本にやって来るようになるかもしれません。

 昼食まで少し時間が空いたので、中関村の電気街ビルをしばし探索しました。次に向かったのは、北京大学と並び中国名門大学と評判の高い清華大学のMBAコース(社会人向け)と、その前に、清華大学の学食で昼食を取ることに。ツアー参加者の一部から

「学食なんて、まずくていやだ」

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清華大学内の学食の最後に出てきた北京ダックに喜ぶ、筆者(幸地)

 という声も上がったのですが、着いた先は清華大学の中でも最高級のレストランです。きっと、教授御用達の施設に違いありません。しかも、ちゃんと個室が予約されていて、出される料理も立派でした。このツアーでは、いつも昼真っからビールを飲まされるのが欠点といえば欠点ですが……(^^;)。

 後半には、予想外の北京ダックまで登場して、みんなで大騒ぎしながら舌鼓を打ったものです。

 午後は、気を取り直して再び企業視察へ。筆者の友人から紹介を受けたITベンチャーを訪問しました。その会社はMapbar。筆者は初耳だったのですが、北京ではかなり有名なベンチャーらしいのです。土曜日なので会社はお休みですが、特別にCEOとCTOのお2人がわれわれのツアー団を温かく出迎えてくれました。

 Mapbarは、オフショア開発とは無縁の会社です。しかし、会社を経営する2人の中国人を頭の片隅に入れていても損はないでしょう。まず学歴。2人ともアメリカの名門大学院を卒業した超エリート。CTOは博士号保有者です。当然、2人とも英語はペラペラです。そして、電子地図の分野において、中国市場の7割を占有する将来性豊かなITベンチャー企業で、売上高も半端じゃありません。何より、2人とも筆者より若いのです……(涙)。

 この会社では、若い人材が大量に排出される中国のパワーを垣間見ました。しかし、超エリートの彼らは対日ビジネスではなく、欧米向け、あるいは中国国内の市場に活躍の場を見いだしています。中国における英語人材と日本語人材の層の厚さの違いを実感しました。

 そして、あっという間に夕食の時間。渋滞のためバス移動に時間がかかるから、食べて寝て、企業訪問すれば、時間はどんどん過ぎていくのです。夕食は、北京で診療所を開設した歯科医の田中健一先生にご案内していただき、極めて費用対効果の高い北京ダックを堪能しました。

歯科診療所:

北京天衛診療所

歯科医師 田中健一

電話:+86-10-8731-0022



 北京出張者に教えてあげてください。急な病気や歯痛に襲われたら、すぐに連絡するとよいでしょう。

4日目:北京駐在者が語る北京の意外な一面

 2006年10月29日(日) この日は休日。北京視察ツアーは午前中で解散するため、朝から北京観光へ。宿泊先から北京故宮の東門までは、徒歩5分の距離です。安宿のくせにナイスな立地です。夜は、前職で大変お世話になった元上司と会食しました。

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天安門広場にて、今回のツアー参加者と合同写真撮影

 かつて、筆者は大手精密機器メーカーの研究所で、画像処理技術の研究開発職に従事していました。研究の成果を国際学会で発表したこともあります。元上司は、中国R&D拠点の立ち上げ責任者として北京に赴任しているのです。

 その開発拠点は設立3年目。従業員50名のうち、博士号保持者が6割を超えるといいます。優秀な人材は、主に北京市内の大学から調達しているそうです。その理由を尋ねたところ、単純な答えが返ってきました。

「中国人博士号取得者の70%は、北京周辺に存在するから」

 さらに、興味深い話が続きました。

「博士号は北京に集中しているが出身地は全国まちまち。ただし、南方の出身者は北京の会社に就職したがらない」

「最近は東北三省の人材が多い」

「2006年度は20名の学生に内定通知。入社率100%だった。奇跡だ!」

「ライバルはMicrosoft、Intel、IBM、携帯メーカーなどの欧米系研究所です」

 日系企業ながら、北京拠点の公用語は英語。もちろん日本本社の研究所とも密に交流を図っているそうです。

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