第2回 プロジェクトは点数化できる:プロジェクト・ポートフォリオ管理の基礎(1/2 ページ)
CIOには多数のプロジェクトが持ち込まれる。彼はその採否を公平に判断しなければならない。その難題を支援するのがプロジェクト・ポートフォリオ管理ツールの役割である。これが前回「100のプロジェクトに優先順位を付ける」の内容。今回は、プロジェクト・ポートフォリオ管理ツールが持つ機能をより具体的に取り上げることにしよう。
普遍性を持つ評価軸と評価指標を用意
ポートフォリオとは、幾つもの対象を1つのテーブルに載せて一覧で評価することを指す。プロジェクト・ポートフォリオ管理ツールの機能は、実行するプロジェクトを選択する要求管理のフェイズから実行されたプロジェクトを評価するというライフサイクル全般に働くのだが、CIOにとって最も切実なテーマは、どのプロジェクトを採用するかをいかに公平に判断するかということだろう。それは要求管理フェイズといわれる。そこで、まず、要求管理フェイズにフォーカスしてプロジェクト・ポートフォリオ管理ツールの機能を見ることにしよう。
CIOに上がってくる案件のうち、どれを選択すべきか。数値に基づいて判断することである。数値に基づくということは、案件ごとに点数を付けるということだが、それは容易でないことがCIOやIT部門のスタッフの課題といえるだろう。その点数付けを半ば自動化することがプロジェクト・ポートフォリオ管理ツールの目玉的な機能といえる。
プロジェクトに対する点数付けは、プロジェクト・ポートフォリオ管理ツールが備えている数十から100を超える指標(評価項目)によって行うことができる。個々の指標は、以下のような評価軸に基づいて設定されている。その評価軸は、プロジェクトの効果を見る上で普遍的な性格のものといえるだろう。
- ビジネス軸(例:企業戦略との整合性、事業に対する影響度、生産性向上等)
- 財務軸(例:売り上げの増加率、必要なコスト等)
- リスク軸(例:ビジネスリスク、プロジェクト管理リスク等)
- 法規制軸(例:内部統制、説明責任、情報漏えい等)
- 技術軸(例:アーキテクチャの整合性確保、技術の難易度等)
Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.