民間調査会社のノーク リサーチは6月16日、全国の売上高500億円未満の中堅・中小企業を調査し、「中堅・中小のPCサーバでも『仮想化・統合化』が進む気配がある」と発表した。
調査は売上高5億円以上、500億円未満の企業1210社に対して実施し、PCサーバの利用状況について聞いた。
ノーク リサーチによると中堅・中小企業でサーバの仮想化・統合化が進むと見られる背景にはいくつかのポイントがある。1つは新しいOSへの移行が困難なWindows NTサーバ上のアプリケーションの存在だ。Windows NTはすでにサポートが切れているが、NT上で稼働するアプリケーションが新しいOSに対応しないなどの理由で、NTを使い続けている企業がある。
ノークリサーチによると、NTが動いているサーバは2008年でも10.8%あり、これらのサーバが仮想化環境に移ると見られる。仮想化環境ではOSとアプリケーションの構成を変更せずにそのまま仮想マシン上に移動することが可能なためだ。
仮想化・統合化が進むもう1つの理由は、仮想化・統合化に向くとされるブレードサーバの低価格化だ。サーバベンダはサーバブレードの価格を引き下げ、エンクロージャをほぼ無料にするキャンペーンを実施するなど中堅・中小企業の獲得に積極的で、その効果が少しずつ現れると見られる。
ノーク リサーチによると中堅・中小企業におけるブレードサーバの利用は、2006年の1.9%から2008年は3.0%となり、若干増加している。また、ストレージやスイッチを同梱できるシステム統合型ブレードサーバの登場も、統合化ニーズを刺激しているようだ。
さらにマルチコアのサーバが一般的になり、サーバ1台のパフォーマンスが向上。仮想化技術を使って複数のアプリケーションを1台のサーバに統合しやすくなる環境も整ってきた。
ノーク リサーチはこれらの分析から、中堅・中小企業は今後、「レガシー資産のマイグレーション」「PCサーバの集約」「仮想化・統合化されたアプリケーション実行基盤」のプロセスで仮想化・統合化を進めると予測する。「仮想化・統合化は潜伏期から活動期へシフトし、この動きが目に見えて確認できるようになると予測される」としている。
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