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2010年までにCO2削減シェア1割を目指す〜NECNEC環境アニュアルレポート2008を発表

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 NECは6月16日、同社の2007年度のNECグループの環境活動実績と環境経営ビジョン2010の進ちょくなどをまとめた「NEC環境アニュアルレポート2008」を発表した。ITソリューションを通じたCO2削減量を今後3年間で105万トンから220万トンに倍増しなければならないなど、「かなり難しい問題だが、不可能ではないと信じている」(NEC 執行役員常務 井田敏氏)という。

 NECでは、5年前の2003年に環境に関する経営ビジョン「NEC環境経営ビジョン2010」を発表。このビジョンでは、NECの生産活動による排出とNEC製品使用によるCO2排出を合わせて「NECのCO2排出量」と位置付け、ITソリューションの提供を通じてユーザーのCO2排出量を削減することを「NECのCO2削減量」と位置付けた。「NECのCO2排出量」と「NECのCO2削減量」のバランスを取ることを目指している。

井田氏写真
NEC 執行役員常務 井田敏氏

 2010年の目標では、NECの生産活動による排出を163万トン、NEC製品使用によるCO2排出を57万トン、ITソリューションのCO2排出量は220万トンに設定。2007年度実績は、NECの生産活動による排出を198万トン、NEC製品使用によるCO2排出を82万トン、ITソリューションのCO2排出量は105万トンだとした。この点について井田氏は、「NECが企業活動を行ううえで、CO2の排出は絶対避けられない。それならば、当社のソリューションでお客さまにCO2排出量を削減してもらうことで社会に貢献したいためにこのような目標設定をした。現状では、ITソリューションを通じたCO2削減量を今後3年間で105万トンから220万トンに倍増しなければならないのでかなりハードルは厳しいが、総務省の予測なども考慮すると不可能な数字ではないと思っている」とコメントした。

 個別の取り組みでは、ハードウェアとソフトウェアの生産革新による生産性の向上やデータセンターの省エネ化といった取り組みや、半導体や液晶の生産工程で出るPFCやHFCといったものの代替化も進めているという。これにより、2000年には265万トンだったNECグループのCO2排出量は、2006年には226万トン、2007年には198万トンにまで削減されたという。実際に工場では、空気を駆動源とした生産ラインや、バーコードをRFIDに変えたことで1日10万回の読み取り作業がなくなり10%以上の生産性向上を実現し、2001年度と比較して2005年度では年間で約5300トンのCO2を削減したという。

 オフィスでは、照明器具安定器を省エネタイプへ変更したことでCO2を25%の削減したほか、物流では航空便を大幅に削減したことで2006年の5万7000トンと比較して、2007年には4万8000トンに削減した。

 PCの利用環境では、NECのノートPCにボタンを押すだけで約20%の省電力化ができる「ECOボタン」を導入するほか、シンクライアントの導入によって年間電力消費量を最大62%削減できるとした。もし、1500台構成なら年間最大56トンのCO2削減効果が見込めるという。そのほか、グリーンITに対応する「省電力プラットフォーム」や「省電力制御ソフトウェア」「省電力ファシリティサービス」など、データセンター向けの省電力サービスも各種用意する。

 ITソリューション提供によるユーザーのCO2削減では、ブロードバンドオフィスやサテライトオフィスといった「ワーク/ライフスタイル変革」や、高度交通情報システム(ITS)などのインフラ提供、ハイブリッド自動車向けリチウムイオン電池提供など、さまざまな形態を模索しているという。例えば、NECブロードバンドソリューションセンターでは、「フリーデスク制」「Web会議システム」「ペーパーレス化」などを実施した結果、従来のワークスタイルと比較して約40%のCO2を削減できたという。

 井田氏は、「総務省の予測によると、2010年のITソリューションによるCO2排出削減効果は、日本全体で2650万トンといわれている。それに対して、NECではシェア10%の220万トンを目指している。京都議定書の第一約束期間である2008年〜2012年の5年間累計で1000万トンの削減を目指す」とコメントした。

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