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Google ドキュメントの進化は止まったのかWeekly Top 10

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 @IT NewsInsight先週のアクセスランキングトップは、歩行者と同じ視線で街中を見ることができる「グーグル ストリートビュー」についての記事「グーグル、日本でもストリートビュー提供開始」だった。これまでWeb上で見たことがなかった独特の経験を味わうことができるサービスだが、あまりにも網羅的に生々しくご近所の画像が映し出されるために、プライバシーの侵害を心配する声も聞かれる。

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 ランキングには入らなかったが、個人的に気になったのはGoogle AppsとGmailの障害について報じた記事「Google AppsとGmail、一部ユーザーで15時間にわたる障害」だった。記者はグーグルが提供するSaaS形式のオフィススイート「Google ドキュメント」のヘビーユーザーである。原稿の下書きはもちろん、新企画のプレゼンテーションを作成したり、iPhone 3Gの価格表を作成したりと活用している。

 しかし、最近はGoogle ドキュメントに不満が多い。不満の1つはデスクトップ・アプリケーションと比べた場合のパフォーマンスだ。ワープロソフト、エディタソフトを立ち上げて原稿を書く場合と比べて、Google ドキュメントは反応が遅い。キーボードのタッチに表示が付いてこない時がある。もちろん、記者が使っているPCが低スペックというのもあるが、どうもAjaxベースの軽快さが感じられない。記者は、オフラインでも利用可能な「Gears」に対応したGoogle ドキュメントの英語版を使っているが、このGearsに起因するエラーでパフォーマンスが低下したり、利用できなくなることが最近は多い。Google ドキュメントに関しては、最近、進化が止まっているように思えるのだ。公式ブログを見ても、本質的な機能強化の発表は少ない。

 ユーザーは酷薄だ。最初はWebブラウザベースのワープロ、表計算ソフトが利用できるだけで喜んでいるが、慣れてくると欠点ばかりが目に付くようになる。ソフトウェアベンダ、サービスプロバイダーはユーザーの期待を上回る機能を常に提供し続けないと、あっという間に潮目が変わって、ユーザーの反撃に合う。なかなか厳しい商売だと思う。

 特にSaaSを新しいソフトウェアの配信方法と考える場合、競争力の源はSaaSであるにしても、ソフトウェアとして十分な基本性能を備えていることが大前提だ。SaaSのソフトウェアは、デスクトップ・アプリケーションと、その基本性能で同等、もしくは上回らないとユーザーが本当に受け入れることはない。データをネットワーク上に置くことの便利さは評価しても、使いにくいソフトウェアを使い続けるユーザーは少ないからだ。配信方法だけでユーザーを満足させるのは限界がある。ソフトウェアの基本性能を満たしながら、SaaSならではのプラスアルファが求められるのだろう。

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