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【Top10】見えている人がいる先週の人気記事ランキング

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 先週の@IT NewsInsightのアクセスランキングの第1位は「『WPA突破』よりも重要なセキュリティ問題とは?」だった。無線LANで使われるWPAの暗号鍵が破られたことにも驚いたが、さらに重大なセキュリティ問題が浮上している。企業も個人も安全を守ることがかつてないほど大変になった。

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 セキュリティの動向についてもそうだが、世の中には「見えている人」がいるように思う。とても感覚的な話しで恐縮だが、オカルトではない。世の中の状況を俯瞰し、技術やサービス、人の考え、行動について「将来はこう進む、もしくは進むべきだ」と分かる人のことだ。アップルのCEOであるスティーブ・ジョブズ氏がその代表だろう。将来のあるべき姿が心の中に明確にあるため、製品やサービスの開発でぶれない。発表後にどのような批判を受けても、世の中が見えているので、動じない。「ビジョナリー」と言ってもいいだろう。

 IT業界のこれまでの発展は彼ら、見えている人によって導かれてきた。メインフレームからのダウンサイジングやクライアント/サーバシステム、Webアプリケーションなどのアーキテクチャの進展、iPhoneをはじめとするモバイル・インターネット・デバイスの隆盛、オープンソースソフトウェアの拡大、ソーシャル系サービスの流行なども加えていいだろう。見えている人は、ITだけでなくあらゆる業界にいる。

 難しいのは見えているだけではビジネスとして成功しないことだ。多くの人がうすうす感じていることを先取りして製品やサービスを出してもビジネスとして失敗し、「10年早かったね」と慰められるビジョナリーもいる。先進性を保ったままで市場ニーズをうまくくみ取って製品化する実務者が必要なのだ。そして見えている人の先見の明をつぶさないような企業文化も求められる。ただ、IT産業、特にソフトウェア産業は、大きな投資をせずに見えている人の考えを形にできるのが強みだ。成熟した業界では見えている人はなかなか現れない。IT産業は乱世が新しい成長を生む。

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