マイクロソフトは12月18日、中堅中小企業向けに同社の複数のサーバ製品をパッケージにした新製品「Windows Essential Business Server 2008」(EBS)と「Windows Small Business Server 2008」(SBS)の日本語版を発表した。それぞれサーバ製品を個別に購入する場合と比べてライセンス価格を25%、35%抑えることができるという。同社 執行役 常務 ビジネス&マーケティング担当の佐分利ユージン氏は「ITによるコスト削減効果で、顧客の痛みをいち早く解決したい」と話した。
EBSは従業員300人、クライアントPCを300台保有する中堅企業を想定したパッケージ(詳しい構成は下記)。電子メールやファイアウォールなど企業のインフラとして利用できる構成で、「Windows Server 2008」を中心に管理サーバ、メッセージングサーバ、セキュリティサーバを組み合わせる。EBSには同構成のStandardエディションと、同構成に「Microsoft SQL Server 2008」を追加したPremiumエディションがある。Windows Server 2008は64ビットエディションを使用する。
「Windows Essential Business Server 2008」の構成(Standard)
- Windows Server 2008 Standard
- Microsoft Exchange Server 2007 Standard
- Microsoft System Center Essentials 2007
- Microsoft Forefront Security for Exchange Server
- Forefront Threat Management Gateway,Medium Business Edition
- Microsoft SQL Server 2008 Standard(Premiumに付属)
参考価格はStandardエディションが97万5000円(ボリュームライセンス Open Businessの場合。以下同じ)、Premiumエディションが120万円。Standardエディション用のCAL(クライアント・アクセス・ライセンス)が1CAL当たり1万5600円。Premiumエディション用は3万7500円。
SBSはWindows Server 2008をベースに電子メールやグループウェア、ファイルサーバとして利用できるサーバ製品を組み合わせた(詳しい構成は下記)。従業員75人以下、クライアントPCを75台以下保有の企業を想定している。Standardエディションのほかに、SQL Server 2008を追加したPremiumエディションも用意する。Standardエディションは1サーバで運用、Premiumエディションは2サーバとなる。Windows Server 2008は64ビットエディションを使用。ライセンスの参考価格はStandardエディションが20万9000円、Premiumエディションが32万円。CALはStandardエディション用が1万3500円、Premiumエディション用が3万1800円。
「Windows Small Business Server 2008」の構成(Standard)
- Windows Server 2008 Standard
- Microsoft Exchange Server 2007 Standard
- Windows SharePoint Services 3.0 SP1
- Windows Server Update Services 3.0 SP1
- Microsoft Forefront Security for Exchange Server
- Microsoft SQL Server 2008 Standard for Small Business(Premiumに付属)
両製品とも専任のIT管理者がいないことが多い中堅・中小企業の実情を考慮し、導入のしやすさと管理のしやすさを追求した。EBSでは複数のサーバ製品をまとめてインストールできる専用のウィザードを用意した。マイクロソフトのサーバープラットフォームビジネス本部 Windows Server製品部 マネージャの林憲一氏によると、EBSに含まれるサーバ製品を個別にインストールする場合、130のステップをこなす必要がある。しかし、EBSの専用ウィザードを使えば30ステップになるという。インストールのための時間も「80時間から8時間になる」(林氏)としている。
EBSではまた、複数のサーバ製品を統合的に管理できる専用コンソールも用意する。ユーザーグループの管理やネットワーク管理、フォルダ管理、バックアップ管理などが可能。ネットワーク上にあるクライアントPCやサーバの簡易的な状態監視にも使える。
マイクロソフトはEBS、SBSの展開をにらみ、サーバベンダやシステムインテグレータ(SIer)との連携を発表した。ハードウェアベンダではインテル、デル、日本IBM、日本ヒューレット・パッカード、レノボ・ジャパンと協力。デルやIBM、日本HPは、EBS、SBSのプリインストールサーバを今後提供することを明らかにした。SIerではキヤノンITソリューションズや日本ビジネスコンピューターと組み、ソリューション提案などで協力する。
関連記事
- OSKとIBMが接近、中堅向けERP「SMILE BS」のDB2版発表(@ITNews)
- 中堅・中小に仮想化普及の兆し、塩漬けNTサーバが移行へ(@ITNews)
- 日本HP、中堅・中小企業をネットワーク・ストレージで攻める(@ITNews)
- IBM、中堅企業攻略にサーバ統合分析ツール「Zodiac」投入(@ITNews)
- AC100V対応でオフィスに置ける――HPが小型ブレード発表(@ITNews)
関連リンク
Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.