国内ERP市場が急減速、2〜3年は低成長か：アイ・ティ・アールが調査結果公表

[垣内郁栄，＠IT]

　景況悪化による国内ERP市場の減速が鮮明になってきた。民間調査会社のアイ・ティ・アールが1月22日に公表した調査資料によると、2008年度の国内ERP市場は前年度比4.8％成長の予測で、2007年度の10.4％と比較して伸びが著しく低下。2009年度はさらに厳しく0.7％増を予測している。

　国内ERP市場は業務標準化による効率化ニーズなどに支えられ、堅調に伸びてきた。景況が悪化する前の2007年度は前年度比10.4％増で、市場規模は914億円に達した。しかし、2008年度以降は世界的な景気悪化でIT投資を控える企業が多くなると予測され、伸びがほぼ止まるとITRは見ている。

国内ERP市場規模の推移と予測（出荷金額ベース、ITR資料から）

　ITRのプリンシパル・アナリスト 浅利浩一氏は「おそらく2年ないし3年は、全体としてこの傾向が続く可能性が高い」と指摘。「案件のパイプラインが切れてくる2009年度第1四半期から2009年度の第2四半期」が特に厳しくなると予測している。