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【Top10】よりよいIT部門になるために先週のニュース記事ランキング

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 先週の@IT NewsInsightのアクセスランキング第1位は日本情報システム・ユーザー協会(JUAS)の調査結果をレポートした『「CIOいらない」、経営者の6割強が回答』だった。景気低迷で、企業のIT部門を取り巻く環境も悪化。今後数年はIT部門が本当に戦略的な存在になれるかどうか、大事な時期だろう。

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 JUASの調査結果はWebサイトで公開されている(発表資料)。企業内の組織にとって最も重要な要素は予算だ。調査結果によると2009年度のIT予算予測は前年度比で2.2%減。その内訳は新規投資が3.9%減で、保守運用費は0.9%減。既存システムをメンテナンスする保守運用費を減らすことは難しいが、新規投資は単に何もしなければ削減できる。

 JUASは『「新規投資は原則先延ばし」「年度内に“実額”として効果が出るもの以外はスタートしているプロジェクトであってもストップ」などの社内調整で奮戦しているIT部門長の姿が浮き彫りになった』としている。

 IT部門の前に横たわる薄暗さ。一方で、JUAS調査からは、IT部門のあるべき姿も見えてくる。IT予算が減らされるのはその効果が正確に測定されず、経営上の貢献が説明できないからだ。その課題を踏まえてか、調査回答企業の中でIT投資の事前評価を行っている企業の比率は前年度から10ポイント増加して75%になった。事後評価も15ポイント増えて70%と急上昇。自己満足で終わらないIT投資を模索するIT部門が増えている。IT投資の評価を実施している企業では、実施していない企業と比べて、システム開発の「品質の満足度」が高いという結果も出ている。

 また、システム開発の委託先に対して仕様の明確化や、体制・能力の評価、進ちょく管理、コミュニケーションなど発注者として主体的にプロジェクトに関わる企業ほど、工期を予定通り終わらせることができるとの結果もある。結果的に予算も予定通りに完了し、品質への満足度も高い。ベンダ任せではなく、主体的に取り組むIT部門の姿が浮かび上がる。

 人材の多様さも重要だ。ITの成熟度が上がったことでITは特別な人だけの特別な存在ではなくなった。調査結果では大企業が「入社以来IT部門一筋」という人材の割合を減らし、業務部門の経験者や情報子会社・ベンダなど経験者の登用を増やしていることも明らかになった。要員数不足、能力不足という問題は残るものの多彩な人材がIT部門に入ることは、IT部門をより戦略的な存在に移行させるドライブになるかもしれない。今回の不況を抜け出した後のIT部門は、より強い存在になっているはずと思いたい。

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