企業の組織再編戦略の1つで、企業内の事業を独立させて、新組織・新会社を作ることをいう。部門独立という意味ではスピンアウトの同義語としても使われるが、スピンアウトは従業員による独立創業のニュアンスがあるのに対し、スピンオフは企業が経営戦略として行う分社化の意味合いが強くなる。
狭義には企業が組織の一部を別会社として分離・独立させ、その株式を株主に無償交付することをいう。持ち株会社下で事業をスピンオフした場合はグループ企業として運営されることが多く、ブランドや販売チャネル、管理組織などの経営資源を共有・利用できる。
成長企業が大きくなりすぎた組織を企業グループに再編する場合、大企業がリスクの高い新規事業に取り組むに当たって小回りの利くベンチャー企業を子会社として設立する場合にも利用される。
また技術開発分野では、特定の分野で開発された技術成果をほかの分野に役立てることをスピンオフ(技術移転)と呼ぶ。
参考文献
▼『スピンオフ革命――新しい日本型産業創出のモデルとシナリオ』 前田昇=著/東洋経済新報社/2002年4月
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