EMCジャパンは12月9日、データの重複除外によってデータバックアップ容量を削減できる重複除外アプライアンス「Avamar Data Store Gen 3」(以下、Avamar Data Store)を販売開始した。
Avamar Data Storeは、クライアント側にエージェントをインストールすることでバックアップ時に重複しているデータを除外し、差分データだけをバックアップするアプライアンス製品。バックアップサーバアプリケーション、バックアップアプリケーション「Avamar 5.0」、バックアップデバイスをパッケージ化しているものだ。
通常、差分バックアップする際はフォルダ単位やファイル単位で行われるが、Avamar Data Storeではファイル内の変更されたブロックを検出し、そのブロックのみをバックアップするため、サーバへのデータ転送量が大幅に減るという。価格は最小構成で343万5000円から。クライアント用のエージェント/モジュールは無償であるため、仮想マシンを追加してもライセンス費用は発生しない。
最新バージョン「Avamar 5.0」では、VMwareの最新OS「vSphere 4」の「vStorage API」と統合。仮想マシン丸ごとのバックアップ/リストアを、GUIから簡単に実行できるようになったほか、変更があったブロックだけをバックアップする「ブロックレベルAPI」を活用できるようになった。従来は、仮想マシンのディスクをすべてスキャンして差分を調べていたが、ブロックレベルAPIによりその必要がなくなった分、高速にバックアップが可能になったという。
EMCジャパン プロダクト・ソリューション統括部 プロダクトマーケティング部 部長 中野逸子氏は「Avamar Data Storeは、いままでのバックアップの姿を変える製品。従来のフルバックアップは、CPUやハードディスク、ネットワークの容量の多くを費やしていた。また、仮想化技術が普及してきたことで仮想マシンのバックアップニーズも広がっている。今回の製品では仮想マシン対応も強化したので、仮想マシンの丸ごとバックアップも簡単にできるようになった。バックアップ時間を10分の1に短縮できるほか、ストレージ使用率も95%減少できる」と説明した。
また、“バックアップデータをテープに保管したい”というユーザー向けに、重複除外後のバックアップデータをテープに保管できる「Avamar Data Transport」を無料で提供する。Avamar Data Transportは、Avamar Data Storeで重複除外バックアップしたデータを既存のテープライブラリに自動的に保存するソリューション。グローバルサービス統括本部 プロダクトソリューション統括部 テクノロジーコンサルタント 細田博氏は「どうしてもテープにバックアップを保存しておきたい、という業界が存在するので、そのニーズに応えた機能だ」と説明した。
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