WBSには、守るべき3つのルールがある:WBSでプロジェクトを成功させる(2)(1/2 ページ)
前回はWBSの基本としてWBSの基本用語を紹介し、WBSが「レベル」と「要素」から成り立っていると説明した。今回は特に要素に着目し、要素分解ルールのコツを解説する。
前回、WBSは大きく分けて、「レベル」と「要素」から成り立っていると説明しました。
今回は「要素」に着目し、要素分解のルールを解説します。
WBSの要素分解で“絶対に守るべきルール”
WBSは通常、レベル1にプロジェクトの最終成果を置き、そこから順番にレベル2への分解、レベル3への分解と徐々に要素が細かくなるよう、書いていきます。
この分解の際に、3つルールがあります。
第1のルール:「100%ルール」
「100%ルール」は、要素分解を行ううえで最も重要なルールであり、一言でいえば、「子要素をすべて足し合わせると親要素と等しくなる」というものです。
子要素は親要素を100%満たすものでなければならない、ということから100%ルールと呼ばれます。
例を見てみましょう。これは、「コーラ」を要素に分解したものです。
子要素をすべて混ぜ合わせると、コーラが出来上がる
これを見ると、コーラは、「カラメル色素、酸味料、甘味料、香料、保存料、カフェイン、炭酸水」を組み合わせて、100%になることが分かります。
一方、下の例はいかがでしょうか。空欄を埋めてみてください。
子要素をすべて実行すれば、じゃんけんが終了する
いかがでしょうか。100%ルールに従って分解できたでしょうか。
1つの例として要素を挙げていくと、「参加者を決める」「各自が勝負する手を決める」「勝負する」「勝敗を判定する」「あいこならばもう一度勝負する」といった要素になります。
さて、勘の鋭い方は気付かれたかもしれませんが、例1と例2では要素分解のパターンが異なります。「コーラ」は「物」ですが、「じゃんけんをする」は「作業」です。
実は、要素分解はパターンが2つあり、「物」へ分解するパターンと「作業」へ分解するパターンとが存在します。
作業に分解するパターンと、物に分解するパターンは、それぞれ留意事項が異なりますが、この点については次回以降で詳細に解説します。
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