コードカバレッジ(注1)の1つで、テスト対象となるプログラムコード内部の分岐(ブランチ)の可能なすべて結果(真偽)のうち、テストを実施した割合を示す。コード内のすべての分岐について真の場合と偽の場合がそれぞれ少なくとも1回は出力されるようにテストを設計する。
ブランチカバレッジの達成基準は、与えられたプログラムのすべての入口と出口、可能なすべての分岐を少なくとも1回テストすることと定義される。プログラムの条件判定に複数の条件文がある場合でも、分岐にのみ着目する。論理分岐は真と偽の2つなので、コード中の分岐の総数を分母として、そのうちテスト実施(設計)したの数の総和を分子に計算を行うとブランチカバレッジ(%)が得られる。
分岐を平たくいうと、“女性客は水曜日に無料”という条件付き行為における「無料になる/ならない」の枝分かれに当たり、「真(無料になる)」と「偽(無料にならない)」の両方の出力が得られれば、100%網羅となる。内容的にはディシジョンカバレッジと同じと考えてよい。
ステートメントカバレッジに比べるとかなり厳しいカバレッジ基準で、必要なテストケースも増える。単体テストのホワイトボックステストでは、「せめてブランチカバレッジ100%を目指すべき」とされることも多い。
(注1)コードカバレッジ
参考文献
▼『ソフトウェアテスト実践ワークブック??効果的かつ効率的なテスト設計のために』 レックス・ブラック=著/成田光彰=訳/日経BP社/2007年1月(『Effective and Efficient Software Testing』の邦訳)
▼『基本から学ぶソフトウェアテスト??テストの「プロ」を目指す人のために』 セム・ケイナー、ジャック・フォーク、フン・クォック・グエン=著/テスト技術者交流会=訳/日経BP社/2001年11月(『Testing Computer Software, 2nd Edition』の邦訳)
▼『ソフトウェア・テストの技法〈第2版〉』 グレンフォード・J・マイヤーズ、トム・バジェット、テッド・M・トーマス、コーリー・サンドラー=著/長尾真=監訳/松尾正信=訳/近代科学社/2006年7月(『The Art of Software Testing: 2nd ed』の邦訳)
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