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TMMi (てぃえむえむあい)情報システム用語事典

testing maturity model integration / テスト成熟度モデル統合

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 テストプロセス改善のためのガイドラインとリファレンスをまとめたフレームワークである。CMMIを補足するものと位置付けられており、CMMIベースでソフトウェアプロセス改善活動に取り組む一環としてテスト改善活動を行う場合に適している。テストプロセスの外部アセスメントを前提とした改善活動にも利用できる。

 TMMiモデルはCMMI(段階表現)と同様の構造になっており、5段階のプロセス成熟度で表現されている。各成熟度レベルには複数のプロセスエリアが置かれ、各プロセスエリアにはスペシフィック(固有)ゴールとジェネリック(共通)ゴールがある。スペシフィックゴールにはスペシフィックプラクティスが、ジェネリックゴールにはジェネリックプラクティスが設定されている。テストプロセス改善を目指す組織は成熟度レベルに応じて、各ゴールを満たすようにコンポーネント(テストプロセスの構成要素)を整備・構築することが推奨される。

 TMMiの推進はCMMIの導入が前提となっており、TMMiの多くのプロセスエリアで、対応するCMMIのプロセスエリア(一部は異なる成熟度レベルのプロセスエリア)のサポートを必要としている。

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 TMMiにおける成熟度レベルは、概ね以下のように説明される。レベル1はプロセス改善に取り組む以前の段階を指し、テストプロセスは無秩序かつ不確定で、テストとデバッグが区別できない状態である。レベル2ではテスト方針とゴールが設定され、テスト計画も作成されているがコーディングが終わってからテストに着手するような状態をいう。

 レベル3はテストプロセスがSLCPに統合され、テストが文書化されてコントロールとモニタリングできる状態を指し、レベル4はテストプロセスが定量的に測定・評価できる状態をいう。レベル5はテストプロセスが最適化され、欠陥防止や品質管理による改善活動が実施可能な状態にあることを示す。

 TMMiを開発・提供するのは、アイルランド・ダブリンに本拠を置く非営利団体のTMMiファウンデーションである。TMMiの開発や普及を目的としてブライアン・ウェルズ(Brian Wells)らによって2005年に設立された。2008年の「Version 1.0」以後、2009年に「Version 2.0」、2010年に「Version 3.1」がリリースされている。

 TMMiの開発に当たっては複数のソースが利用された。主要な前身の1つが、SW-TMM(ソフトウェア・テスト成熟度モデル)である。これはSW-CMMを補完するテスト成熟度モデルで、米国イリノイ工科大学のアイリーン・バーンスタイン(Ilene Burnstein)、ロバート・カールソン(Robert Carlson)らが1996年に提案した。

 このほか、デイビッド・ゲルペリン(David Gelperin)とウィリアム・ヘッツェル(William C. Hetzel)が『The Growth of Software Testing』(1988年)で述べたテストの歴史的進化過程論、ボーリス・バイザー(Boris Beizer)の心理的成熟度モデル、オランダのアイントホーフェン工科大学を中心に開発が進められたMB-TMM(Metric Based Testing Maturity Model)、テスト文書化に関する標準であるIEEE Std 829などが参照されている。

 なお、Testing Maturity ModelとTMMはイリノイ工科大学の商標、TMMiはTMMiファウンデーションの登録商標である。

参考文献

▼『ソフトウェア品質知識体系ガイド——SQuBOK Guide』 SQuBOK策定部会=編/オーム社/2007年11月

▼『Practical Software Testing: A Process-Oriented Approach』 Ilene Burnstein=著/Springer/2003年6月


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