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メディア部門
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フジテレビが圧勝の3連覇達成
新規ノミネートも健闘を見せる
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前回からエントリーを続けるサイト間での序列に大きな変動は見られなかった半面、2位をはじめとする新規ノミネート組が目立った今回。大枠での様変わりは、これらの健闘によってもたらされた。
全番組にわたる緻密なサイト作り
フジテレビ
www.fujitv.co.jp
エンターテインメント部門第2位の『あいのり』など人気番組から、5分間のスポット番組までをカバー。また、そのほとんどに掲示板を設けている。行き届いた情報の提供と収集が人気の秘密か?
多彩な執筆陣の最新原稿が読める
ほぼ日刊イトイ新聞
www.1101.com
糸井重里氏が編集長を務めるウェッブマガジン。更新ペースは“ほぼ日刊”の看板に偽りのないこまめさだ。執筆陣は糸井氏本人と、その幅広い人脈で集められた個性あふれる多彩な面々。各人があるときは専門分野を、またあるときは意外なテーマを扱って、目次の要約を眺めているだけで楽しくなるような、文章のワンダーランドを展開している。雑誌・テレビなどの連携メディアがない「生粋のウェッブ育ち」というのがユニーク
多チャンネルテレビライフをサポート
スカイパーフェクTV!
www.skyperfectv.co.jp
300近いチャンネル情報を把握するためのコンテンツを提供。ユーザーの契約に合わせてムダのないリストを表示できる番組表機能は、多チャンネルテレビライフを快適かつ有効に楽しむための強力なサポーターだ。また自由なキーワードでの検索機能も備えており、膨大なリストから好みの番組を絞り込むことも可能。関連商品を販売するショッピングコーナーやメールマガジンなど、そのほかのコンテンツも盛りだくさん
サイト開設時期は他局に後れを取りながらも、99年の初受賞以来3連覇を達成したフジテレビ。その制作現場であるお台場本社ビルの一室を訪ねた。
「立ち上げのころは、まだ局内でのウェッブに対する認識が低かったんですよ。それで、こちらから呼び掛けて丹念に情報を集めることからスタートしたんですね」と、ウェッブ制作の指揮を執る石川泰平氏は語る。当時はプライムタイムよりも、深夜帯やミニ枠からの反応がよかったという。
「たとえば、とんねるずの番組中のクイズのリアルタイム投票と当選発表などは、そのころ深夜番組を作っていた連中のアイデアなんです。彼らはネットのおもしろさを知ってますからね」(石川氏)
この企画には10分間で25万件もの応募がある。「これをどう処理するかって考えるとイヤになったんですけど(笑)。でも結局は対応するシステムを作れましたし、ウェッブと番組が相乗効果を生み出せるようになってきたんです」(石川氏)
一方で、緊急時には即時にトップページを災害情報を表示するページに切り替える用意もしている。「現在イラストが表示される最初のトップページは、その仕掛けの副産物なんですよ。テレビ本体と同様に、娯楽と報道をバランスよく盛り込めたらと考えています」(石川氏)
最後に「ウチの連中はスタンドプレイが苦手なんですが、地道に続けてきた仕事が認められたという手ごたえが、とても励みになります」と、喜びを語ってくれた。
識者の声 |
本体の子どもっぽさを映し出すテレビ局サイトに
報道機関としての大人の感覚を
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ランクインしているのは、ほとんどがテレビ局のサイトですね。そして、どのサイトもその局の番組ラインアップ同様に子どもっぽいのが残念。日本のテレビ、とくに地上波局の現状が、そのまま表れているような気がします。外国のテレビ局のサイトだと、まず自分たちの局がいかに“信頼に足る報道機関であるか”ということを打ち出してきます。そのあたりに考え方の大きな差を感じますね。テレビ業界全体としてもっと大人っぽくなってほしい。
また、どの局のサイトも同じような構成だということも気になります。僕自身もテレビにかかわっている部分もあるので、現場のたいへんさや問題はわかります。それでもなお「ちょっと違うんじゃないか?」と疑問を呈したくなります。
もともとホームページは印刷媒体、とくに雑誌とよく似ていると思うんですよ。そういう意味では、2位の糸井重里さんのサイトが雑誌的ではあるが雑誌では実現しにくいおもしろさをうまく出している。僕は雑誌編集者ですので、インターネットの特性を生かした良質な雑誌サイトの登場を期待したいですね。
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エディトリアル・ディレクター
石川次郎氏
雑誌・書籍編集の傍らテレビ朝日『トゥナイト2』の司会など幅広く活躍する
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